4Flusherツアー | スガ シカオという生き方 ~history of his way~

スガ シカオという生き方 ~history of his way~

1997年デビュー、2011年フリーランスとなった音楽侍スガシカオさんの記録。
本名:菅 止戈男。戈(ほこ)を止める=争いを止めることが「武」の本義であるという孔子の著から取られた名前に込められた思い、それに恥じない生き方の足跡。


トーキンロック!#20(2001年4月発売)
(アルバム「4Flusher」ツアーを大阪城ホールにて最終日を迎えた際のインタビュー記事。ちなみにトーキンロック!は関西発の雑誌)

スガシカオ「本当はライブハウスでは、バラードもシングルもやらないで、とことんファンクでたたみかけるぐらいぐらいの気持ちでやりたかったのね。ホールはいつものバージョンで構成するという分け方を考えていたんだけど全然告知が間に合わなくて(笑)次にやるときはそういう分け方で展開出来たらいいなと思ってるんだけど。」

ー中盤の「SPIRIT」の中で、スガさんがハープの演奏をするというシーンがあって、お世辞ににも上手いとは言えないテクニックで観客の笑いと、ねぎらいの拍手を巻き起こすという見事な演出がありましたが?

スガ「ぶっ!悪かったね!(笑)いや、今回のツアーは初めてのお客さんが多くて、いつもどおりにこっちが飛ばすと乗り切れないままって人がいるって感じて、緊張感を解いてあげることをしようと思って、ツアー5日目の福岡で買ったんだよ。」

-で、親友の山崎まさよしに憧れてハープを始めましたというセリフを最初につけて?

スガ「そうそう(笑)でもちゃんと習いに行ったんだよ。ヤマんとこに。福岡で初めて披露した後にあまりに山崎に程遠い出来だったので(笑)

ーどれぐらいやったんですか? 
スガ「いやそれがさあいつ長島監督みたいだからさ(笑)言ってることがよくわかんないんだよね。“もっとズバっとこう!”とか”プッと吹こう!”とかさ(笑)そんな事言われても分かる訳ないじゃん!まぁ俺もあんまり上達しようと思ってないから(笑)一度ステージで吸ってばかりいて倒れそうになったりして。(笑)」

―ちなみに昨日は、歌い終えたばかりの「そろそろいかなくちゃ」のイントロを再び弾き始めて「黄金の月」を歌い始めるという、前代未聞の失敗で、これまた観客の笑いと、ねぎらいの拍手を巻き起こすという見事な演出がありましたね。

スガ「演出じゃないよ!マジで間違えたんだよ!(笑)
オレ、黄金の月だけは絶対に失敗しない自信があったんだけどなぁ(笑)」



ー実際に今回のツアーでアルバム「4Flusher」の曲を披露してみて、何か新しい発見とかありましたか?

スガ「このアルバムはバンドスタイルでの生音で録音したものが多かったんだけど、最終の仕上げの段階でデジタル処理し過ぎちゃったかなと、ライブのアレンジで自分たちが演奏したのを聞いて、そう思ったの。それが唯一の欠点かなぁ。」

ー「ミートソース」のライブの熱を帯びたグルーブも良かったけど、CDの冷たい硬質な感じも凄く良いと思うんだけど。

スガ「うん!うん。楽曲そのものは俺も満足しているんだけど、ただ最後の調整の部分で、もう少し時間を掛けて作りたかったかなと。」

ーミートソースの時の間宮先生のレスポールの音なんて光輝いてたもんね。まぁ、間宮さん自身も輝いてたって話もあるけどね(笑)

スガ「うわー言っちゃったよ!(笑)しらねぇぞ俺(笑)
でも、このアルバムのおかげで楽曲に幅が持てたと同時に、ライブの中でも、いろんな表情を生み出す事が出来たと思うんですよ。今までの3枚はひとつのつながりというか、統一感があったから、ライブも似たようなトーンで進んでいたと思う。このアルバムで新しい武器を身につけた印象があるし、今までにない新鮮な空気を吸い込むことが出来たと思う。」





(ちなみにここは伊丹空港。東京への帰り便に搭乗する前を狙っての撮影。)