スガ シカオという生き方 ~history of his way~

スガ シカオという生き方 ~history of his way~

1997年デビュー、2011年フリーランスとなった音楽侍スガシカオさんの記録。
本名:菅 止戈男。戈(ほこ)を止める=争いを止めることが「武」の本義であるという孔子の著から取られた名前に込められた思い、それに恥じない生き方の足跡。

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2016年1月20日発売アルバム「THE LAST」
THE LAST/ビクターエンタテインメント

¥3,240
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スガ シカオ
「伝わるメディアの形がどんな形になっても、伝わる本質は変わらないと思う。
それがCDであろうがなんであろうが全然心配はしていない。
ただ、音楽でドキドキがなくなるのが一番怖い。
本当にカラオケのためだけに存在する音楽とか、ジョギングするためのBGMだったり。そっちだけに音楽がいったら、ミュージシャンやアーティストである必要がなくなる。

だから俺たちはもう一回、みんなにドキドキしてもらうことを取りもどさないといけない。」

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「今出ている音楽のソフトとか機材って、全部、形を矯正するものばっかり。だから、何かちょっとハミ出すと強制されちゃう。あとはレベルメーターが赤に行かないように直すとか。
今出ている音楽周辺機器、楽器、その全てが修正、矯正の方向にしか向いていないんですよ。で、そこをまず取っ払えばいいんだってことがわかったんです。最初から修正しないものをベーシックに作る。」

トラック3「あなたひとりだけ幸せになることは許されないのよ」


この曲って、テンポがBPM98だとしたらベースはBPM140くらいなんですね。
そもそもリズムが合ってないんです。だから、聴いていても、ずーっとズレている。
だけど、何百小節かに一回だけ、合ってないんだけどめちゃくちゃ格好いいトラックが出るんですよ。それをひたすら待つんです。何百小節ずーっと聴いて「ここだ!」っていうのをバーンと切り取って、そこをベーシックに曲を作っていく。
でもそのためには他の楽器も全部ズラさないといけない。というのも、何かが合っていると、無意識にそこに合わせちゃうので。歌もズレてなきゃだめだし、ギターもズレてなきゃダメだし、音程もズレてなきゃダメだし…っていう風に作っていくと、最終的に気持ちいいものになるんですよ。それがアルバムの随所にある。ぐにゃぐにゃした印象っていうのはそこなんです。タイム感があってないもの同士が共存している。

それはトラック7「青春のホルマリン漬け」も、BPMを5~6くらいズラして演奏しているんです。生楽器だから大変だったんですけど、その演奏をずっと聴いていって「ここ!」ってところを切り取って。真ん中はもっと大幅にトラック同士のテンポをずらしていって、音程もズラして、カオスにするという。

トラック10「真夜中の虹」
ハミ出してしまう部分と誰もが共有できる部分を、絶妙なバランスで持っている曲。
「小林武史さんに鍵盤を弾いてもらった時も、できるだけハミ出す前提で、突っ込んで弾いてもらっている。」



「結局“こんなに悲しいことがありました”では歌詞にならないんです。
よくよく考えてみると、俺はドキュメンタリーとして歌詞を書いた曲はほぼないんですよね。
ある出来事が1回終わって、自分の中でドキュメンタリーだったものが思い出に変換されたあとの言葉じゃないと歌詞にならないことに気付いたんです。

要は、ある出来事をドキュメンタリーとして言葉にしても、「ホウレンソウ」、要は報告、連絡、相談みたいなものにしかならないというか(笑)。

だから、思い出になって初めて歌詞になるんだと思うんですよね。」


収録曲の音作りについて
柴 那典さんインタビュー記事

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とにかく新しいジャンルともいえる斬新な音が詰まったアルバム。音楽は好きな曲を単品で気軽に買える今の時代に、アルバムでなければいけないという意味を持った傑作の1枚。


同時に旧事務所、旧レーベルから出ているこちらのベスト盤はスガシカオさんに今興味を持った方には最適のスガシカオ入門編となるアルバムです。

大人の事情があるアルバムですが、収録曲は素晴らしい才能に満ち溢れた楽曲ばかりのお得なアルバムです。

THE BEST -1997~2011-/アリオラジャパン

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一旦更新は止めたサイトですが、スガシカオさんに興味を持ってたどりついた方にこの最高傑作のアルバムを知ってもらわないわけにはいかないと更新させて頂きました。