ROCK’IN ON JAPAN Vol.213 2001年12月号(アルバム「Sugarless」オリコンチャート1位獲得時)
【スガシカオ20000字インタヴュー】より浪人時代についての部分
●浪人時代も音楽一辺倒で?
スガ「いや・・・・浪人時代はずっぽり女にハマってしまって・・・・・・予備校で知り合った子だったんですけど・・・・。もう立ち直れないくらいグチャグチャにされて。半分ノイローゼみたいになっちゃって・・・・色々勉強させていただきました(笑)ほんとにボロッキレになりましたからね・・・・・。
それまでろくすっぽ女にのめり込んでない生活をしてたんで、まぁ、チャラチャラ遊んだりとかはしてたんですけど、マジ恋愛みたいな感じで初めていったのが、もうすっごい手痛い仕打ちを受けたので・・・・・もう、酷かったですね。
あれが最初じゃなかったら、もうちょい恋愛に対していろんなことをフランクに考えられたような気もするんですけどね。あれが最初だったがために、いろんな恋愛観が変わってしまったというのは、たぶんあると思うんですけどね」
●恋愛に対する色んな幻想を現実によって見事に打ち砕かれた?
スガ「うん、ですね・・・・俺、二股かけられてたんだけど、なんかこう・・・・バサッとふってくれればいいのにさ、引っ張られちゃったんですよ。そいで、まあほら、当時まだ純なスガシカオ少年は、そのことに対してすごい意地になっちゃって(笑)
絶対向こうが別れるって言うまで、どんなにズタボロになっても言わせる、みたいなことを考えちゃったのが、運の尽きだったみたいですね。『絶対言わせてやる』って、でも、向こうは言うつもりなんか全然ないわけですよ。自然消滅させようと思ってるわけだから。それを『絶対、自然消滅なんかさせないぞ!』と(笑)別れるんだったら、ちゃんと別れるって言わせるまで・・・・どんな状況でもこっちは覚悟できてる、ぐらいの感じでいたのがきっとまずかったんですよね。
だからもう上手くやろうとか、よりを戻そうとかそういう次元じゃなく・・・・けじめをつけよう、みたいなね。でもさ、そっからの半年ぐらいはもう、本っ当に辛かったな。浪人生なんだけど、勉強どころじゃない。・・・・ほんっとにもう、自分で自分を取り戻すのに精一杯だったって気がするんですよね。なんかもうふっと気を抜くと、ガラガラッといろんなものが倒れるのを防いでいるので精一杯、みたいな。予備校には一応行ってるんですけど、やっぱり彼女に逢うわけで、気まずく、嫌われつつ。
そうこうしているうちにだんだんこう・・・偏頭痛とかなってきちゃって。で、ある日、頭が痛くて目が覚めたんですよ。で、医者行こうと思ったら立てないんですよ。近くの医者に行くまで、いつもだったら5分くらいの距離なんですけど、塀をつたいながら30分かかって行って(笑)
もう・・・・・ここまでかなみたいな感じの日々が続いて・・・地獄でしたね。あれでだいぶ人生の人間形成が、いろんな意味で固まった気がするんだよね(笑)だってまだ18歳ですよ。」
●その地獄の日々はどういうふうに終わっていったんですか。
スガ「もうなし崩しのように大学生になり・・・・もうそっから徐々に生活も変わりました
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月とナイフ
「オレを傷つけて自分が悪人になりたくないから、ずるずると酸素を抜いてって、まるで蛇の生殺しみたいでさ。天使みたいな顔をしているくせに、錆びたナイフで心臓をずぶずぶ切られていくみたいで、“そのナイフ切れないからやめてくれ。いっそ切れるのでずばっとやってくれ。”って叫びたかった。」