別にシャマランが好きなわけじゃない

たまたま選んだのが

シャマラン監督作品だっただけ

 

『ミスター・ガラス』(2019年、アメリカ)

 

あらすじ

多重人格サイコ野郎が事件起こしまくりな街で、監視人と呼ばれる人物がそのサイコ野郎を捕まえようとしたら取っ組み合いの喧嘩になって、なんだか知らない組織に連行されて、特殊な施設に監禁。その施設には以前に監視人と一悶着あった車椅子の男(体がガラスのように繊細でタイトルのミスターガラスはこの人)が放心状態で監禁されてて、なんだかよく分からないが精神科医に診察される事になる。精神科医に「お三人様はご自身のことを特殊能力あるヒーローと思ってるかもしれないけど、それ思い違いよ。治療するわ。」と言われて困惑。サイコ野郎と監視人が自分の能力を疑い始める中、車椅子の男がゆっくりと動き始める。。

 

というのが、ものすごく薄っぺらくしたあらすじです。そしてこの作品が三部作の最終作だと知らずに最後まで見てしまったのが私です。

 

多重人格サイコ野郎の映画は

『スプリット』(2016年、アメリカ)

監視人とミスターガラスの映画は

『アンブレイカブル』(2000年、アメリカ)

 

きっと上記の作品も観たほうが面白いとは思いますが、この作品だけでも大丈夫。若干、話が飛ぶなって思うだけで大丈夫。

 

ネタバレになりますし私の勝手な解釈ですが、この物語はヒーローやヴィランが持つ特殊能力が存在する世界についてどうよ?みなさん?そんな力があったら秩序なんて崩壊しちゃうよね?でも多様な世の中なんですよね?って話だと思ってます。

 

小さい頃に藤子・F・不二雄先生の『ウルトラ・スーパー・デラックスマン』というアニメで主人公のヒーローが欲望のままにテレビ局に電話をかけ、アイドルを呼び出し問答無用で即ヤッちゃうってシーンを観たことがあったので、私の中のヒーロー感はすでに崩壊。

 

その為『ミスター・ガラス』の世界においては秩序保持派に気持ちが揺らぎました。作中における特殊能力が現実の世界の様々な多様性と重なり合ってメッセージとなっているのは分かるのですが、多重人格サイコ野郎・監視人・ミスターガラスの三人は人を殺めてしまう能力を持っている。

 

例えば、手が拳銃に変化してしまい感情の揺れで本人の意図とは反して発砲してしまう人とお友達になれますか?と問われたら「私は大丈夫。別け隔てなく接することが出来るわ。」って言いながらも恐怖に耐えきれない人が大半だと思うんですよ。

 

みんな考えられる範囲内の多様だから理解を示しているだけで、その枠を外れてしまったものには異を唱える。

 

最低なほど勝手で、残酷。

 

映画でアメコミでヒーローでヴィランのお話は、全てを理解の枠に封じ込めた残酷なおとぎ話に。

 

終わりの言葉は

めでたし

おしまい

どちらが似合うでしょうかね。

 

 

 

 

 

●精神科医役の女優さんが見覚えある気がして経歴調べたら『RUN/ラン』のお母さん役のサラ・ポールソンさんでした。やっぱり好き。この女優さん。