そんな映画を観た
『RUN/ラン』(2020年、アメリカ)
車椅子生活ながらも母と二人で幸せに暮らしていた娘。彼女が大学進学の夢へ歩み始めた時、母の異常な愛情の歯車が狂い始める。
きっと映画を沢山観てきた方なら
この映画の結末は想像できるでしょう。
その想像で正解です。
母の異常な愛情の原因も数パターン考えられると思いますが、その数パターンうちのどれかです。目新しい題材ではありません。
気になった箇所は2つ。
一つは母親役のサラ・ポールソンと娘役のキーラ・アレンの演技の巧さ。
そしてもう一つは、ワンシチュエーションの可能性。
娘役のキーラ・アレンは思春期特有の垢抜けない感が現実的で、内包する賢さや母への愛情の変化を映画初出演なのに体いっぱい表現していて、元有名子役なのかと考えてしまうほど。華やかなヒロインではなく、街中にいる一人の人間を演技し続けるだろうなぁ、素敵だろうなぁ、とおばちゃん目線で見守りたくなる方です。
母役のサラ・ポールソンは言わずもがな。きっとどこかで観たことある。でも、役柄に入りすぎて、女優さんのイメージ自体はそんなに無い。最高な人。
予想できる演技なのに、ふたりともお上手で大好き。
で、もう一つのワンシチュエーションの可能性について。
この映画、大半は親子の家の中で展開します。途中、病院や街中もありますが基本家の中。上映時間は90分。
つまり
コロナ禍でも撮影できるのではないか。
テレビの2時間ドラマ枠でも放映できるのではないか。
なぜ日本の2時間テレビドラマは殺人事件ばかり取り扱うのでしょう。このようなワンシチュエーションのサスペンスでは駄目なのでしょうか。予算で考えても一軒の家の中がメインで登場人物が少ない作品なら、通常の旅物2時間ミステリーより安く出来るのでは、と、素人ながら考えてしまいました。
テレビは実験の場へ
そろそろ展開しても良いと思うのですが
これは私だけでしょうか。
●結末が予想出来ても観た理由は、自分が出した想像の答え合わせをしたかったからかなぁと思います。娘さんの演技は想像を超えてたので、大満足です。