先日、申請した相続登記が完了しまして、
完了後の謄本をチェックしたところ、誤記を見つけました。
突然ですが、ここでクイズです。
AB共有の不動産について、
「Bが亡くなり、共有者だったAが、B持分を相続した」
という内容の登記を申請しました。
次の画像は、相続登記完了後に取得した謄本(抜粋)なのですが、
いったいどこが誤っているか分かりますか?
※普段から登記記録を見慣れている人にとっては、
見た瞬間に「あれ?」と思える内容です。
正解は…
甲区2番の権利者の欄の
「所有者」と登記されるべき箇所が「共有者」と登記されている点です。
共有不動産で、もともと共有だった方が、残りの持分を全て取得した場合、
新たな登記名義の箇所は、「共有者」ではなく、「所有者」と表記されます。
もし、過去の権利変動が複雑だったとしても、
最後に「所有者」と記載されていれば、
「単独所有」であることが一発でわかる仕組みになっています。
参考までに、更正登記完了後の謄本(抜粋)はこんな記載となります。
このように、実際には単独所有なのに、
新たな登記された箇所が「共有者」のままになっていた場合、
考えられるケースとしては、次のどちらかです。
①もとの登記名義と、新たに持分を取得した際の登記名義の、
住所または氏名の記載が一致していない。
②法務局側の登記ミス
①は、申請するときに、申請する側が気を付けるべきポイントです。
相続登記の前(または同時)に、もとの登記名義人についての、
住所(または氏名)変更登記を申請すべきケースで、
もし、住所(または氏名)変更登記を申請しなかったとしても、
相続登記は完了してしまうので、注意が必要ですね。
※住所と氏名が一致しないと、
登記システム上は”別人による共有”だと認識されてしまいます。
一方、②は、申請する側としてはどうしようもなくて、
法務局側に気を付けて頂くしかありません。
実はこのミス、今年に入ってから、
私が気が付いただけで、2件(1件目は別管轄の法務局)もあります。
法務局側の人員不足を何とかした方が良いのではないか
…と思ってしまいます。
※ただでさえギリギリの人員で対応しているところに、
コロナ感染による職員の欠勤があったり、
本人申請が増えた影響による補正連絡・対応が増加したり…
いろいろ苦労されているという噂は聞きます。
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司法書士 黒川雅揮
司法書士黒川雅揮事務所HP⇒https://k-legal.jp/