ある一定の登記申請を行う際には、
義務者(当該登記申請によって不利益を受ける側)が
権利を取得した時に発行された権利証を添付する必要があります。
※義務者の例
・売買による所有権移転登記における”売主”
・住宅ローン完済による抵当権抹消登記における”金融機関”
権利証は、紙タイプのもの(登記済権利証)と、
情報タイプ(登記識別情報)の2種類がありまして、
主に発行された時期によって異なります。(←例外もあります)
登記識別情報を添付すべき登記申請の場合には、
その情報(12桁の英数字のパスワード)を暗号化して法務局に提出します。
(書面申請の場合は、このパスワードを紙で提出することも可能です)
この登記識別情報ですが、
「登記識別情報通知」という書面に印字されて発行されます。
※目隠しシールや、折込といった形式で、
当該情報が記載された部分は、隠された状態で発行されます。
権利者自身がこの情報を確認する必要性はありませんので、
必ず、そのまま目隠しが施された状態で保管してください。
この情報は第三者に知られてしまうと危険です。
いわゆる権利証を盗まれたのと、ほぼ同じ様な意味になってしまいます。
(開封されていると、いつ誰に情報を盗まれてもおかしくありません。)
例えば、不動産の売却等の際には、
司法書士が、売主から登記識別情報通知(紙そのもの)をお預かりします。
そして、司法書士が、目隠しを取って情報を確認し、
確認した登記識別情報を、一定の方法で法務局に提供します。
※もし、まだ当該不動産に権利が残っている様な場合には、
その登記識別情報通知に改めて目隠しを施したうえで、ご本人に返却します。
さて、この登記識別情報通知ですが、
当然、1文字でも間違うと登記申請は通りません。
これまで何百回と、法務局に登記識別情報を提供してきましたが、
先日、はじめて、法務局から入力ミスを指摘されてしまいました。
登記申請から数日後の朝イチ(8時30分)に、
法務局から電話がありまして、
「●日に登記申請された●●さんの●●登記の件ですが…
提供された登記識別情報を照合した結果、不一致でした。」
とのこと。
こちらは、まさか入力ミスしているなんて思わないので、
一瞬、固まってしましました。
※真っ先に頭に浮かんだのは、地面師事件のこと。
数か月前だったか、偽造された登記識別情報を提供して、
登記申請しようとした人が逮捕された事件をニュースで見たばかりで、
しかも朝イチに連絡が来るなんて、これは…まさか…と。
続けて、
「申請された物件のうち、●の物件だけが不一致なので、
たぶん入力ミスだと思います。ご確認ください…」
と言われて、ホッとしましたが、
情けないミスであることには変わりありません。
事務所に到着して、すぐに確認してみたところ、
「E」と「F」を1文字を間違えて入力していました。
入力後に2~3回はチェックしたはずなのに、
自分の目は節穴かと…。
今後、よりいっそう気を付けます。
※ちなみに、登記識別情報の発行時期にもよりますが、
バーコードリーダーで読み取れるタイプのものもあります。
噂では、自動で読み込んだ文字が不一致になるケースもあるそうなので、
バーコードリーダーで読み込んだ場合も、一応チェックしないといけないなと。
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司法書士 黒川雅揮
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