ここ数年、会社の解散登記に関与する機会が増えています。

 

 

会社は、解散すると、その旨を債権者に向けて、

官報で公告することが義務づけられています。

 

 

会社法第499条第1項

 清算株式会社は、第475条各号に掲げる場合に該当することとなった後、

 遅滞なく、当該清算株式会社の債権者に対し、一定の期間内にその債権を

 申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れたる債権者には、各別にこれを

 催告しなければならない。

 ただし、当該期間は、二箇月を下ることができない。

 

※合同会社等の持分会社の場合は、

 同じ趣旨の内容が、会社法第660条に規定されています。

 

 

 

司法書士が、登記手続のご依頼を頂くのと同時に、

公告の掲載手続についてもご依頼頂くケースはわりとあります。

 

内容としては、次の様な定型文で掲載するケースが一般的です。

 

「当社は、令和●●年●月●日開催の株主総会の決議により

解散いたしましたので、当社に債権を有する方は、本公告掲載の

翌日から二箇月以内にお申し出ください。

なお、右期間内にお申し出がないときは清算から除斥します。

令和●●年●月●日

        東京都大田区蒲田●丁目●番●号

        株式会社●●●●

        代表清算人 ●● ●●」

 

※掲載費用は、行数によりますが、

 一般的には、11行で、金39,482円(税込)が実費でかかります。

 (住所や会社名が長くて1行に収まらない場合を除けば、

  全体として11行で収まるかと思います。)

 

※どこの官報販売所で申込しても値段は同じですが、

 販売所によって、HPの充実度は異なりますし、担当者の対応も異なります。

 各司法書士によって、それぞれ好みの販売所で申込しています。

 

 

 

株式会社や合同会社の場合は、

上記条文の通り、公告の方法は”官報”に限定されているのですが、

 

中小企業等協同組合法に定める”組合”においては、

実は、解散時の公告方法は、”官報”に限定されていません。

 

当該組合の定款に定められた公告方法で

公告すればOKという取り扱いになっています。

 

※株式会社の場合は、

 「官報公告」「新聞公告」「電子公告」の三択ですが、

 

 組合の場合は、これらに加えて、

 「組合の事務所の店頭に掲示する方法」もOKです。

 

 

 

当初、てっきり官報公告が必須だと思いこんでいて、

見積金額に公告費用を含めていたのですが、

 

「組合の事務所の店頭に掲示する公告する」

と規定されている組合だったおかげで、

公告費用がまるっと浮いたことがありました。

 

 

 

※中小企業等協同組合第69条に、

 会社の条文を準用する旨の規定があるのですが、

 その文末の方に、次の様な文言があります。

 

 会社法第499条第1項中「官報に公告し」とあるのは

 「公告し」と読み替えるものとする

 

 わざわざ「官報」の文言を外す旨の表現なので、

 とても分かり易いはずなのですが、

 最初は、完全に見落としていました。(…危なかった)

 

 

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司法書士 黒川雅揮

司法書士黒川雅揮事務所HP⇒http://k-legal.jp/

 

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