【1回】

まず最初に、登記手続のご依頼を頂いたら、

最新の登記記録を取得して確認します。

 

私の場合は、お客様がご依頼時に、

自ら取得したであろうものを持参してきたとしても、

基本的には、自分で最新の内容のものを取得します。

 

 

最新の情報のものでなかった場合が、意外と多くあるからです。

依頼者に悪気が無い場合が殆どですが。

 

 ・最新のものが必要だとは思わなかった。

 ・自分で手続したことを忘れていた。

 ・手元にある古い謄本をみて手続できていなかったと勘違いした。

 ・事務員・親族が手配してやってくれてた。

 ・他の共有者が亡くなって相続登記されていたのを知らなかった。

 

最新の情報を参照して書類を準備しないと、

書類の作成し直し、ハンコ貰い直し、取り下げ等、

余計な手間が二重三重にかかってきてしまうことがあります。

 

 

※過去に、登記申請した数日後に、法務局から、

 「先生、申請された内容の一部は既に登記されてますよ~。

  一部取下の手続をしてくださいね。」と連絡がきたことがありました。

 

 

【2回】

登記手続が完了した後に、必ず1通取得します。

 

お客様にお渡しする為でもあるのですが、

主な目的としては、ちゃんと登記記録に反映されたかの確認です。

 

たまに、法務局側の入力ミスもありますので、要チェックです。

 

 

 

 

基本的には上記”2回”の取得で足りることが多いですが、

登記の内容によっては、確認回数は増えます。

 

【3回】

取引関係(売買や担保設定)の登記のように、

”順位が重要なもの”かつ”絶対に取下できないもの”については、

必ず、当該取引の直前にも登記記録を確認します。

 

※第三者の権利登記がなされていないか、等のチェックです。

 もし第三者の権利が登記されていたら、当該取引は中止(延期)です。

 

※たまに、地積・地目が変更されていたりすることもあります。

 この場合、聞かされていなかったのは司法書士と銀行だけ、

 というオチもあるので怖いです。

 

 

 

【4回~】

売買に関する登記で、とくに「任意売却」の案件の場合は

さらに、慎重に進める必要があるので、

さらに登記記録の確認回数は増えます。

 

※個人的には、

 決済の2、3週間くらい前にご依頼頂いたケースだと、

 

 決済予定の1~2週間くらい前に、もう一度、

 登記記録を再確認した方が良いかと思っています。

 

 

不動産を任意売却するケースだと、

債権者(銀行等の一般債権者、税務署、等)が多数いることが多く、

いつ、仮差押・差押の登記が入るか分かりません。

 

万が一、仮差押・差押等の登記が入ってしまったら、

それらを取下げてもらう為の打ち合わせや、

取下書類の確認・準備をするための時間がさらに必要となります。

 

取引の「直前」まで気づかなかった場合は、

(普通は、直前の登記記録を確認することでしか気づけません)

もう売買代金の決済は、延期(あるいは中止)するしかありません。

 

 

当事者全員の予定を調整して期日を組んでいたのにと、

直前で予定がバラけてしまうと、全員にとってロスです。

 

少なくとも、当事務所の場合は、

スケジュールが重なった他案件を断っている場合もあるので、

その場合は、完全にマイナスです。

 

 

かなり前の案件ですが、

決済の当日に、仮差押が入っていたことが判明して、

”せめてもう少し早く判明していたら…”ということがあったので、

 

それ以来、任意売却の案件の場合は、

1~2週間くらい前にも再確認する様にしています。

 

※登記記録を確認するにも費用がかかりますので、

 そこは、費用とリスクとのバランスです。

 

 

かつて、一度だけですが、元の決済予定の10日程前に、

仮差押がなされていたことに気が付いた事がありました。

 

↑すんなりとリスケすることができて、

 仲介や買主側の関係者には喜ばれました。

 

 

 

先日、なぜ謄本(登記情報)の取得費用がこんなにかかるのか?

と聞かれまして。

 

数回取得するのにはちゃんと理由があります、

という記事でした。

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司法書士 黒川雅揮

司法書士黒川雅揮事務所HP⇒http://k-legal.jp/

 

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