不動産の売買等において、

住宅用家屋証明書を取得できる物件の場合は、

登録免許税の減税措置の適用があります。

 

けっこう安くなります。

 

課税課価格の税率が、例えば、

所有権移転登記(建物のみ)は 2%  0.3% に、

抵当権設定登記の場合は 0.4% が 0.1% になります。

 

 

 

住宅用家屋証明書取得の基本的な要件は次の通りです。

 ①購入者本人の居住用であること

 ②登記床面積が50㎡以上であること

 ③木造や軽量鉄骨造の場合は築20年内、

   鉄骨造や鉄筋コンクリ造等の場合は25年内であること

 

このうち、③の築年数については、

別途、”建築士等の作成による「耐震基準適合証明書」”を添付できる場合は、

古い建物であっても、住宅用家屋証明書を取得することができます。

 

 

 

細かい耐震基準の要件は知りませんが、

およそ昭和57年以降に建った建物については、

特に問題無く耐震基準適合証明書を取得できるケースが多いかと思います。

 

※昭和56年に建築基準法が改正されまして、

 改正前に確認申請を受けた建物を「旧耐震」、

 改正後に確認申請を受けた建物を「新耐震」と呼んだりします。

 

 

 

先日、昭和40年代半ばに建てられた区分建物について、

耐震基準適合証明書が発行されました。

 

半世紀近く前に建った建物なので、

まさか耐震基準をクリアできるとは思っていなかったのですが、

近年、耐震に関する改良工事をしたおかげだそうです。

 

※一応、念のために確認してみて良かった、というケースです。

 

 

実は、この件では、

耐震基準適合証明書の取得費用と、登録免許税の軽減額が、

ほぼ同じで、証明書を取得するかどうか迷ったそうです。

 

結局は、

 (1)住宅用家屋証明書取得用

 (2)不動産取得税軽減用

 (3)住宅ローン控除用

の3点をまとめて取得すればトータルではメリットがある、

 

ということで取得することになったそうです。

(1点だと●●円。3点セットだとお得な●●円。だったそうです)

 

 

 

耐震基準適合証明書の取得については、

仲介業者が手配することが一般的かと思います。

(売主の名義で証明書を取得する必要がある為)

 

仲介業者から取得について相談されたときは、

登録免許税の差だけ伝えるのではなく、

不動産取得税や住宅ローン控除のことも伝えた方が良いかもしれませんね。

 

※登記に関係ない税金については、

 司法書士は相談に応じることができませんので、

 「関係役所にご確認ください」といった案内となります。 

 

 

 

ちなみに、この3点、証明書としては外観上、とてもよく似ていますが、

よく見ると、各様式によって証明している内容が異なります。

 

 (1)住宅用家屋証明書取得用

 ”租税特別措置法施行令第42条第1項”に定める基準に適合すること

 

 (2)不動産取得税軽減用

 ”地方税法施行令第37条の18第3号”に定める基準に適合すること

 

 (3)住宅ローン控除用

 租税特別措置法施行令(イ)第24条の2第3項第1号(他省略)”に定める

 地震に対する安全性にかかる基準に適合すること

 

※司法書士業務においては、

 預かった証明書の文面に気をつけたいところです。

 (もし違う様式の証明書だとアウトなので) 

 

 

 

最後に…

たまにですが、仲介業者の担当者が新人だったりすると、

この耐震基準適合証明書のことを、

「フラット35の適合証明書」と勘違いする方もいるので要注意です。

 

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司法書士 黒川雅揮

司法書士黒川雅揮事務所HP⇒http://k-legal.jp/

 

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