現状、例えば、
品川区に本店をおく会社が、大田区内に支店を設置した場合、
①本店のある品川区の法務局で「支店設置」の登記を申請し、
②支店のある大田区の法務局にも「支店設置」の登記を申請します。
①の登記によって、
本店を管轄する法務局においては、
この会社の登記記録がに新たに「支店設置」の旨が登記され、
②の登記によって、
支店を管轄する法務局においては、
「支店の登記記録」が新たに作成されます。
つまり、「本店の登記記録」とは別に、
「支店の登記記録」というものが作成されます。
※本店と支店が同じ法務局の管轄内であれば、
わざわざ「支店の登記記録」は作成されません。
法務局の管轄が異なる場合だけです。
昔(商法時代)の制度に比べると、
支店の登記記録に記載される事項はかなり減って、
楽にはなっていたらしいのですが、
それでも、支店の登記記録が別にある場合には、
本店での登記手続だではなく、
支店での登記手続も必要になることが多く、
ひと手間かかって面倒になるイメージです。(費用も余計にかかりますし)
実は、この「支店の登記記録」ですが、
もうすぐ法改正によって廃止されることになっています。
※本店の登記記録における「支店登記」については、
そのまま変わりません。
改正されると、だいぶ楽になりますね。
冒頭の支店設置の事例だと、
①本店のある品川区の法務局で「支店設置」の登記を申請
するだけで完了します。
また、現在は、商号や本店所在地といった、
支店でも登記されている事項について変更した場合は、
本店での登記申請に加えて、
支店所在地の法務局にもその旨の登記申請が必要ですが、
改正後は、本店で登記申請すればOKとなります。
先日、
「支店所在地に本店移転(管轄外)して、同時に支店は廃止する」
という内容の登記手続が完了したのですが、
(↑ 登記手続はわりと煩雑になります)
法改正された後だったら、
これも一般的な登記の流れで済んでしまいます。
何だか嬉しいような、寂しいような。
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司法書士 黒川雅揮
司法書士黒川雅揮事務所HP⇒http://k-legal.jp/