”誰が相続人となるか”
一般的なケースは分かっているけど、
特殊なケースの場合はよく分からない、
という方が多いのではないでしょうか。
先日、某テレビドラマの再放送を見ていたところ、
弁護士(役)同士の会話に、おかしな内容がありました。
その内容は省きますが、
ちょっと相続法を学んだ人であれば、
誰もが、誤りに気が付く様な内容だったと思います。
しかし、とくに相続法を学んでいない人からみれば、
あまり知られていない内容なのかもしれません。
(ドラマのあらすじにはあまり関係なかったし…)
ということで、
ちょっと整理してみたいと思います。
まずは、基本の大原則です。
(1)配偶者がいる場合、「配偶者」は常に相続人です。
「子」がいる場合、「子」も相続人です。
(2)もし「子」がいない場合、「直系尊属」が相続人です。
(直系尊属とは、被相続人の直系の上の世代の人のことです。)
(3)もし「子」も「直系尊属」もいない場合、「兄弟姉妹」が相続人です。
※上記の”いる”、”いない”については、
被相続人が死亡した時点での判断です。
被相続人と同時に死亡した者については、
相続関係いのいては、原則”いない”ものとして考えます。
※相続人となるタイミングは、被相続人が死亡した時です。
被相続人が死亡するまでは”推定相続人”に過ぎず、
”相続人”ではありません。
それでは、少し掘り下げてみます。
①【「子」が被相続人より先に死亡していた場合】
はどうでしょう。
当該「子」に、子がいる場合は、
その子(被相続人からみたら「孫」)が相続人になります。
これを代襲相続といいます。
さらに下の代が相続人になる再代襲相続もあります。
(再)代襲相続するのは、
以下の2つの条件に該当する場合に限ります。
●「子」が被相続人の死亡”以前”に次のいずれかに該当したこと。
・「推定相続人の廃除」を受けていた場合
・「欠格」事由に該当した場合
・「死亡」していた場合
●「子」の代わりに相続する人が、その直系卑属であること。
※「推定相続人の廃除」が認められることは、
現実的には、余程のことでないと無いそうなので、
ここでは説明を省略します。
※「欠格」事由は、民法に列挙されています。
被相続人(先順位の相続人含む)を殺した人や、
遺言を破棄・偽造・変造した人、等がコレに該当します。
※この「死亡」には、同時に死亡した場合も含みます。
※「相続放棄」した人は、この条件に該当しません。
相続放棄すると、”最初からいない”という扱いになり、
後順位の人(「尊属」、「兄弟姉妹」等)が相続人となります。
※”卑属”とは、下の世代の人のことです。
実子も、養子も、その扱いに違いはありませんので、
養子縁組後に生まれた子も、直系卑属となります。
但し、養子縁組”前”に生まれた子は、直系卑属ではありません。
(その子は、養親との関係では、血族関係にあたらないので)
⇒つまり、上記大原則(1)の「子」がいない場合というのは、
「子」が全員相続放棄をした場合か、
(再)代襲相続する人が誰もいない場合、を指すことになります。
話が長くなったので、続きはまた後日。
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司法書士 黒川雅揮
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