所有している不動産を売却する際には、
登記済権利証(又は登記識別情報)が必要です。
何回かに渡って所有権を取得してきた場合、
取得したタイミング毎に権利証が発行されていますので、
それら全ての権利証が必要です。
以下、事例を挙げます。
Aさん所有の不動産があるとします。
①平成2年3月1日、Aさんに相続が発生し、
子Bと子Cが、各2分の1ずつ取得した。
②平成3年3月1日、再度の遺産分割協議により、
BがCの持分も取得して単独所有となった。
⇒この場合、Bが当該不動産を売却する際に必要なのは、
①で登記した際に発行された権利証と、
②で登記した際に発行された権利証の両方が必要です。
②の登記申請を行う際に、
①で取得した権利証を添付して登記申請するせいか、
②の登記後に発行された権利証が
所有権全てに関する権利証だと勘違いされがちです。
似た様なケースとしては、
DE夫妻が共有で不動産を購入し、
数年後、離婚した際に財産分与でD単独所有とした場合。
その後、Dが当該不動産を売却しようとする際には、
購入した時に発行された権利証と、
財産分与の時に発行された権利証の両方が必要です。
いったん権利証を提出して登記申請をした場合には、
その権利証に権利がまだ残っているのかどうかを、
その度に担当した司法書士に確認して頂くと安心かと思います。
(通常は、担当した司法書士から説明があるとは思います)
仮に、間違って権利証を廃棄してしまっても、
再発行はしてもらえませんので、ご注意ください。
実は、最近、
上記と似た事例がありました。
改めてもう一個の権利証を探してもらったところ、
無事に両方とも見つかったので事無きを得ましたが・・・
ちなみに、権利証を紛失等した場合でも、
売却等の手続はいちおう可能です。
但し、権利証に代わるものを作成するのに、
数万円単位の費用が余計にかかってしまいますので、
権利証の管理は慎重にお願いいたします。
司法書士 黒川雅揮
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事務所HPです。
http://k-legal.jp/
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