不動産登記のご依頼を受任させて頂く際には、

その権利変動の原因事実を証明できる書類等を確認させて頂いております。



いくつか事例を紹介します。



①「売買」により不動産の所有権を移転する場合


「売買契約書」により、双方に売買の意思がある事を確認します。


民法上、売買は、双方の意思表示で“売買”が成立しますが、

通常の不動産売買契約書には、

“代金の支払と同時に権利が移転する”と特約がある事が殆どです。


ですので、代金の授受があった事を、

「領収書」「振込用紙控え」等で確認します。




②「離婚」により不動産を財産分与する場合


「財産分与協議書」により、双方に当該不動産という財産を分与し、

相手方の財産とする合意があった事を確認します。


通常、双方で書類を作成していない事もありますので、

その場合は、司法書士が作成した文書に署名・捺印をもらって確認します。

(離婚前でも、離婚後でも、合意はいつでもOKです)


但し、離婚が成立していないうちは、財産分与の効力は発生しないので、

「戸籍謄本」により、法律的に離婚の事実があった事を確認します。




③「相続」により不動産の権利が承継された場合


「除籍謄本」「戸籍謄本」等により、

相続が発生し、その権利が相続人に承継された事を確認します。


法定相続の場合には、これで足りますが、


遺産分割協議をした場合には、

「遺産分割協議書」により、その財産が誰に帰属したのかを確認します。


相続人間で書類を作成していない場合には、

司法書士が作成した文書に署名・捺印をもらって確認します。


実際には、遺言があったり、相続放棄があったりしますので、

事例に応じて、それらの事実が分かる書類も必要になります。




司法書士には、

“「登記の原因」を確認しなければならない”、という職責があります。


不動産登記法上は、

登記申請の添付書類として挙げられていないものであっても、

確認せざるを得ない書類等もあります。



※例えば、上記②の戸籍謄本は、登記申請には添付しませんが、

 法的に離婚が成立しているかどうかは、戸籍を拝見しないと確認できません。


 例えば、離婚届に双方が記載しただけでは、

 その時点では、まだ法的に離婚は成立してはいません。

 あくまでも、離婚届が役所に受理される必要があります。

 



たまにですが、


「もう当事者間では、ずいぶん前から話がついているので、

いまさら書類(証書)を作成するのは手間だ」と言われる事があります。


そこで話がストップしてしまうと、

司法書士としては、その先の手続に進むことができません。



「なるべく相手方に、手間をかけさせたくない」、

というお気持ちは分かりますが、


適法・適正な登記申請手続、および権利者保護の為、


登記の原因を証する書類(証書)等の確認につき、

ご理解とご協力を頂きます様よろしくお願い致します。



ふと、ずいぶん前にそんな事があったな・・・と思いだしたので、

記事にしてみました。


Kurokawa
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事務所HPです。
http://k-legal.jp/
良かったらのぞいてみてください。


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