まさかの東京表参道ヒルズのお隣に
山と海を味わえる食材の宝庫を発見!!

 

新潟アンテナショップ 「ネスパス」
ネは、Nで、新潟、ネットワーク。
Espasu「スパス」はフランス語でスペースという意味だそう。
品揃えの多さと目白押しのイベントで人気。


この日は、9月のシルバーウィーク。(21017年9月)
台風一過の見事な秋晴れの下、
ラッキーなことに新潟のゆるキャラ レルヒさん
とあぶらげんしんくんがお出迎え、道行く人に大人気。

レルヒさんは、新潟の地で日本初のスキーを教えた
オーストリアの軍人テオドール・フォン・レルヒさんがモチーフ。
あぶらげんしんくんは、長岡市栃尾ゆかりの戦国武将「上杉謙信」と、

栃尾名物「あぶらあげ」が融合して誕生した。

 

 

入口を入るとすぐに、栃尾のイベント会場。


あぶらあげや美しい栃尾手まりの販売がにぎやかに行われていた。

 

そして、さすが米どころ。自慢のお米がずらり


こしひかりの収穫量は日本一。特に魚沼産こしひかりは、トップブランドとして、あまりにも有名。
ブランドが2合ずつの小分けになっていて、お土産にも手に取りやすい。


このおいしいお米で作った米菓、おかきやあられ。これも生産額日本一。


日本酒も兵庫県、京都府に次ぐ第3位ということで、見事な品揃え。


2階には、海も山も美しい新潟の観光情報、

ちょうど今はスキーや温泉ツアーの呼び込みで、にぎわっている。


また、Uターン生活者の募集に力を入れている新潟県の就職情報のスペースがあり、

新潟”の良さを発信している。
地下1階には、新潟の食材を中心に、日本料理を楽しめるお食事処「新潟食楽園」がある。


さて!!


地元でとれる野菜やみそ・おいしいお米とあれば、

 

ここで買える材料だけで、新潟の郷土料理に挑戦!

 

秋の旬の味覚、栗としいたけ、3種のにんじん・コリンキー(かぼちゃ)・
栃尾のイベントに便乗して、大きくて、厚みのあるあぶらあげもゲット。


これらで、新潟 煮込み料理の「のっぺい汁」を!

さらに
小分けになったこしひかり
そして種類豊富な味噌のなかで、おいしそうな山椒みそを見つけた。
これで、焼きおにぎりの「けんさ焼き」を!


うちに帰ると、さっそく料理。

 

 

まずは、味噌を乗せた焼きおにぎりの 「けんさ焼き」

上杉謙信が諸国を遠征した際、
戦時兵糧として剣の先におむすびを刺して焼いて食べたからだと言われている。
「剣刺し焼き」が「けんさ焼き」になったとも。
こしひかりを炊き、おむすびを作る。
魚焼きグリルで、5分やき、取り出して、

生姜の絞り汁を少しまぜた山椒味噌を塗り、また5分焼いて、できあがり。
食感を加えるため、白炒りごまをまぶしてもグッド。

 

 


戦国武将の歴史と、米どころ新潟の、米への親しみを感じる1品。
現在では新米の収穫を祝う行事食にもなっているそう。

 

 

 

もう1品は、野菜を煮込んだ「のっぺい汁」
新潟はサトイモが入っているものが多いということなのだが、
各地、各家で、さまざまな作り方があり、特に決まりがあるわけではないらしい。
地域で違うお雑煮のようなものだとか。

それならば、せっかくなので、買って来た野菜だけを煮込んでみよう。

栗はゆでて、柔らかくし、しいたけ、コリンキー(かぼちゃ)、

3種のにんじん、あぶらあげ(湯通しして)細かく切る。
鍋にごま油で、これらを炒め、
かつおだし汁・みりん・きび砂糖・しょうゆで、煮汁がなくなるまで煮込む。
別鍋にめんつゆを少しいれ、水溶き片栗粉で、とろみのついた汁を、器にもりつけた後にかける。


「のっぺい汁」は新潟の他にも全国各地で作られており、
寺院の宿坊で残り物の野菜に葛粉でとろみをつけて出した汁物から生まれたともいわれてる。
昔の「のっぺい汁」は
残り物の野菜の皮やへたを炒めて味付けして煮込んだ質素な汁物だったらしい。
「のっぺい」の語源は、汁が粘って餅の様であるから「濃餅」と表記され、
粘っている事の意味の「ぬっぺい」が「のっぺい」に訛り、

「能平」や「野平」と表記されたとも考えられている。
現在は精進の枠を越えて、「冷蔵庫の余り物を片付ける」というような、
便利な家庭料理になっている。

 

栃尾自慢の日本酒「景虎」も添えて、
さあ試食!

 

「上杉謙信」の元服名にちなんで命名された景虎は、
文句なしの落ち着いた甘み。

のっぺい汁は、これぞ新潟郷土の、おふくろの味。
野菜のうまみととろみ汁がふっくらと、とてもおいしい!
里の釜戸が見えてくるよう。


新潟の武将になったような、けんさ焼き。
いくさの前のやすらぎの味だったのだろうか。
生姜と山椒味噌が香ばしく、さすがのこしひかり、
抜群のうまみが広がっていく。

 

ゆっくりと時間が流れる秋の新潟を感じた1日だった

 

風日舎 「地域人」

という雑誌のコアコア新聞に掲載されたものです。(2017年)

本文は、元原稿でブログ用にアレンジしました。