芳村思風一語一会 vol.5890
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愛の実力
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「愛」とはなにか。
「愛の実力」とは何か。
最近では大企業の経営者でも
「経営には、愛が必要だ」
と話される方が多くなった反面、
「そんな甘いことを言っていたら経営はできない」
と話される方もいる。
愛は、今まで文学の対象でしかなかった。
感性論哲学では、愛を情緒や感情ではなく、人間の能力と考える。
「愛」を学問の対象として考え、学問的に体系化した。
時代の課題である世界平和をつくり、不完全な人間が幸せに生きていくために、
いちばん大切な力が愛の実力。
愛は能力だから、愛を実力として成長させることが必要。
では、どうすれば愛の実力を伸ばすことができるのか。
人間の悩みのほとんどは人間関係の問題。
愛は、人間と人間を結びつける力。
愛は、人間関係の力。
時代は、画一性の時代から個性の時代へと移行している。
しかし今でも多くの人が、
同じ考え方や同じ価値観の人間としか一緒に仕事をすることができない、
一緒に生活することができないと考えている。
だから社員教育においては、
今でも価値観を統一するための研修を実施している。
夫婦においては、ちょっとした考え方や価値観の違いを
性格の不一致という理由にして離婚している。
本来人間を幸せにするための宗教の違いで、憎しみ合い対立して、
戦争をして殺し合っている。
問題のない人生を望むことが、反対に人間に不幸をもたらしている。
個性の時代は、お互いに違いを認め合い、考え方の異なる者が、
互いに協力しあって生きていく時代。
考え方の違いや価値観の違い、
宗教の違いによる対立や問題を乗り越えるために、
必要なものは何か。
それが理屈を超えた愛の力。
理性は、矛盾を排除し、画一性を追究する。
理性で考えると、自分と違う考え方は、間違いだとして、
説得して自分と同じ正しい考え方に変えさせようとする。
民主主義は、異なる考えを許しながらも、
その相手を敵と考えて対立し、競争し、勝つことで成長する社会。
与党と野党、保守と革新、検事と弁護士など対立関係をつくり、
互いに競うことで成長してきた。
現在では、正しさを主張しあい、対立と競争による勝ち負けに人間は苦しんでいる。
だから問題を解決する能力として理性能力ではなく
「愛の実力」を成長させていかなければいけない。
愛を理性能力に勝る問題解決能力をもった実力に育てる必要がある。
個性の時代は、異なる考え方をもった人間が、
相手を否定しあって争うのではなく、
お互いに違いを受け入れ、
協力しあって助けあって生きていく時代。
個性の時代を生きる原理が「愛」の原理。
愛は、理屈を超えた力だから異なる考え方をもった人間が、
否定しあうことなく共に生きていくための力となる。
人類の未来は、今後どれだけ愛の実力を磨いていけるかどうかにかかっている。
人間を愛するとは、不完全な存在を愛すること。
人間への愛は理屈を超えた努力が必要。
愛は人間的な努力によって作っていく文化。
思風会通信
「風の思い」No.125
2019.9.1
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