芳村思風一語一会 vol.5887
 ☆☆☆☆☆☆☆ 
矛盾を生きる
 ☆☆☆☆☆☆☆ 
物事には、プラス面とマイナス面がある。
どんなにいいことでも100%賛成も100%反対もない。
常に賛成も反対もだいたい半分半分になる。

どんな立派な人間でも、いま自分の肉体のあるところからしか物を見ることはできない。
自分のいるところからしか考えられないし、判断ができない。
だから人間の考えは、どんな立派な人の考えもすべて偏見である。

偏見は間違った考え方ではなく
「正しいけれど片寄っている」
ということ。

それぞれが片寄った考え方なので、
現実社会では必ず対立が生じる。
これを矛盾という。

一般的には、理性で考えるので
矛盾はあってはいけないもので、
矛盾を無くそうとする。

これは「真理はひとつ」
と考える理性の判断。
そこで、どちらの考えが正しいか決着をつけようとして対立する。

対立する両者よりも、より高次元の1つの考え方に統合しようというのが、
ヘーゲルの弁証法。
しかし弁証法的統一としてできる答は、
またその答に対立する新しい考え方を生み出し、
永遠に無限の対立から抜け出せない。

この対立の連鎖と現実的対立から抜け出す道は何か。
それは
「考え方の違いは無くならないのに、無くさなければならない」
という矛盾を理解し、解釈するのではなく、
「考え方の違いは、なくならないものであり、なければならないもの」
だと理解し、解釈すること。

自分と異なる考えは、
自分の考え方の問題点や欠点や足らざるところを
教え、補うために出てくるものと考える。

矛盾を無くして1つの考えに統合するのではなく、
矛盾を活かして、
お互いに相手から自分の足らざるところを学び、
謙虚に自分の考えで実践し、行動すること。
自分の欠点や問題点を自覚し、
行き届かないところに配慮して、
自分の片寄りや不完全性を修正しようと意識することで、
対立を克服する力をもつことができる。

弁証法では、無限の対立の連鎖から脱却できない。
感性論哲学では
「現実のすべての存在は
相互補完的な関係にある」
と解釈することによって、
学びあい助けあい協力しあう
共存的平和な生き方を確立した。

人類が平和的な生き方をしていくためには、
弁証法から抜け出して、
感性論哲学の「根源的統合の論理学」
を原理とした意識革命が必要なのです。

※「根源的統合の論理学」の説明はまた後日

思風会通信
「風の思い」No.46
2018.12.1 
 
やさしい笑顔と光がすべての方に届きますように・・・  
  

※芳村思風の講演会・勉強会の案内
・9月24日(水)名古屋思風塾
18:00~20:00 伝承館
参加費:2,000円

・10月11日(土)大阪思風塾
13:00~16:00 新大阪
参加費:5,000円

問合せ
思風庵哲学研究所
※「感性論哲学 芳村思風」で検索