芳村思風一語一会 vol.5884
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問いを持って生きるか、
答えに縛られて生きるか

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理性の時代には、ひとつの正解があった。
いかに早くその正解にたどり着けるかでその人の能力が評価された。
わからないことを調べるのはいい。
ネットで検索して答えだけを知ったときは
わかった気になるだけ。
調べたものは、他人の答え。
調べる前に考えてみる。
想像してみる。
仮説を立ててみる。
できることはやってみて、確かめてみる。

感性の時代には、いくつも正解がある。

最近では、偏差値の高い大学を出て、
会社に入った若い人は、
与えられた仕事はきちんとこなすが、
それ以上は「指示されていない」
「教えてもらっていない」
「自分の仕事ではない」
という理由で自分で考えて動かない。

豊かになり物があふれ
「正解」がひとつではない時代となり、
求められる能力も
「問題を処理し解決する能力」
「物を作る能力」
から
「問題を発見する能力」
「意味や価値を作り出す能力」
へと変化してきている。

今でも学校教育は、先生が問題を与え、
正解を早く出せる子どもを育てている。
総合型選抜(以前はAO入試)という入試の方法もあるが、まだまだ対象は狭い。
企業の採用でも人物重視・面接重視という建前はあっても、
大学の偏差値で判断することがまだまだ多い。

最近ではアメリカで経営者には
「アート思考」が必要だということも言われ始めている。
「アート思考」とは、自分の内なる声を聞き、
それを表現することによって世の中に「違い」を生み出し、
その結果人々に感動や問題提起を与えることを目的とした思考法。

いままでは会社として効率よく仕事を進めていくために、
共通認識を持ち同じ方向を向いていくことが求められ、
そのような背景をもとに生まれたのがこのロジカル思考だった。

AIは、全世界から膨大な事例を集め、的確に正解を導き出す。
そしてその事例をもとに「未来の予測」はできるかもしれない。
しかし従来の延長線上にはない新しい未来を作り出すことができない。
「100年先の日本をこんな国にしたい」という夢や理想は、
AIには創り出せない。

これからの時代に必要なのは哲学的歴史観をベースにもって、
命の底から湧いてくる夢や理想を熱く語れる人間なのである。

現代をベースに未来を考える「因果律」ではなく、
因果のしがらみを断ち切る

「自由律」で新しい時代をつくる。
哲学は、新しい時代をつくる自由律の力。

答えを持ちながらも、
「これでいいのか」と問い続ける。

「問いを持って生きるか、
答えに縛られて生きるか」

「答えを持ったらそこで終わり。
問いを持ったらそこが始まり」


思風会通信「風の思い」 
2022.8.1 No.102号 
 
やさしい笑顔と光がすべての方に届きますように・・・  
  

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