芳村思風一語一会 vol.5598
52 愛の奇跡の扉が開かれる時
理性的な人は、根拠や明確な理由がないことはと信じない。
科学的に証明されたことしか信じないという人間には、
理性的に考えられることしか起きない。
理性的には信じられないものを、
信じて、信じて、信じ抜いたとき、
理性では考えられないようなことが起きる。
友人に対する愛の奇跡的な決断。
友人が自分を裏切ったとき、
ほとんどの場合「もうあいつは友人ではない」
「あいつのことはもう信じない」となる。
これが普通の理性的な人間の反応。
このとき
「あいつが私を裏切るなんて、どんなに辛かっただろう。
きっと悩んだのだろうな。」
と考えられるかどうか。
「自分も同じ立場に立ったらと考えると、
その辛さ、苦しみがわかる。
たとえ、みんながあいつを見放したとしても私だけは、
あいつを信じる。」
という理性的には考えられない決断をしたとき、
理性では考えられないことが起きる。
「みんなが離れていったけど、
あいつだけは俺のことを見捨てないでくれた。
あいつに何かあったなら、
今度は俺がなんとしてもお返しする」
という心情が生まれる。
これが、愛の奇跡という人間関係。
子どもに対する親の愛の奇跡的決断。
子どもが成長するとき、お父さんやお母さんにウソを言うことがある
「ウソを言ってはダメ」と言うのは、理性的な親の反応。
ウソを言った子どもに対して
「この子がウソを言わなければいけない状況になるまで、
どうして気づかなかったのだろう。
悩んで、苦しんでいたことに
どうしてわかってあげられなかったのか。」
と子どもの心、本心や内面を見つめてあげることが、
理性を越えた知的感性の反応。
ウソを言った子どもを抱きしめて
「ごめんね。苦しんでいたのに気づいてあげられなくて。
許してね」
と言えるかどうか
「ごめんね」のひと言と、
理屈抜きに抱きしめられた温もりが、
子どもの心と体全体の細胞の中にある感性に響く。
「自分のことを解ってくれている」
「愛されている」
という感覚が大人になってもずっと心と体の中に残っていく。
「ほんとうの自分が見えてくる」
文芸社 2025年 1月発売予定
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photo by TAKASHI FUKUSHIMA