芳村思風一語一会 vol.5430 
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人物を育てる 
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最近「人物」といわれる人が少なくなった。 
「人物」という言葉もあまり聞かない。 
雑誌や書籍でも「人材」や「人財」という言葉が目につく。 
行徳哲男先生も「広さばかりを求めて、深みがない。」と話されている。 
明治維新や戦後の復興の時期には、人物と呼べる人が排出した。 
 
現在の学校教育は理性教育で、頭の良い人間をつくっている。 
「人材」とは、何かの役に立つ手段としての人間の価値を意味している。 
「人財」と変えて、大切に取り扱われても最終的には、 
資本主義経済では、資本を増やし金銭を稼ぐための手段として使われる人間のこと。 
 
「人材」とは、能力において優れた人間のこと 
「人物」とは能力と人間性において優れた人間のこと 
 
能力や理性は、使い方によって善にも悪にもる。 
人物を育てるためには、理性を高度に成長させることも大切だが、 
その理性を使う人間性を磨き育てることがもっと重要な課題である。 
 
人間は生まれたときには、人格はない。 
人間は生まれてから後に「人間の格」を獲得して人間になる。 
人間性は生まれてから後に何を教え、いかに育てるかによって決まる。 
 
 人間の格をつくるための基本原理は3つ。 
1.不完全性の自覚からにじみ出る謙虚さを持つこと(謙虚さ) 
2.人間としてもっと成長したいという成長意欲を持つこと(成長意欲) 
3.人の役に立つことを喜びとする暖かな心を持つこと(愛) 
 
これだけでは人間の格はあり、 
人間性の基本はできでいるが、 
まだ人物とは言えない。 
人間の格をもって、 
次に現実を生きるための人間力を磨き、 
さらに人格を磨くという努力が必要。 
 
人格には、「高さ・深さ・大きさ」 
という3つの次元があります。 
 
人格の高さをつくり、 
人格の深さをつくり、 
人格の大きさをつくる 
 
努力をすることで人間性を成長させること。 
そして命の痛みを伴った体験と経験を 
積み重ねることによって 
人間的魅力を成長させることで 
大人物となるのです。 
 
 
感性論哲学「愛の子育て」より