夢を語る力 

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芳村思風一語一会 vol.3599
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夢を語る力 
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人間以外の動植物は、与えられた現実にどう対応していくかという生き方しかできません。
人間だけが、与えられた現実を、より素晴らしいものに変えていく
という生き方をすることができるのです。
そこに人間の生き方の特色があります。

人間は歴史をつくる動物であり、文化をつくる動物です。
なぜ人間だけが、現実より素晴らしいものを創造することができるのでしょうか。
それは人間だけが、理性能力を持つことができる命だからです。
理性を持つとなぜ現実より素晴らしいものを創造できるのでしょうか。

その理由は、ふたつあります。

第1は、人間には「自我の目覚め」という精神的成長があります。
自己の中で成長を続けてきた自我が、自己よりも大きくなって自己の外へ飛び出して、
自我が自己を外から眺めることができる状態になることです。
自我とは理性のことであり、自己とは肉体と感性が一体化した世界です。
自己とは現実の自分であり、体験と経験の積み重ねによって形成される世界です。
理性は、抽象概念である言葉と言葉を結合してできてくる「思考と知識」の世界です。

自己の世界は、体験と経験という実践的行動に限定された世界なので、成長に限界がある。
理性という自我の世界は、言葉と知識の習得によって成長する世界なので、個人を超えて無限大に広がる。
中学生から高校生になるころ知識が急速に拡大することによって、自我の目覚めが起こります。
理性によってすべてを客観的に外から眺めて、批判するという力が生まれます。
この現実批判の力が、現実よりももっと素晴らしいものを考える出発点になるのです。

第2は、理性は、ほんとうのことを言うことができる力ですが、
反面においてウソを言うことができる力でもあります。

「ほんとうのことを言う」とは、事実にあったことを言うことで、
「ウソを言う」とは、事実ではないことを言うことです。
理性でウソを言えるということは、
理性は事実によって支配されない面を持っているということです。
事実には、過去と現実しかありません。
理性は事実に支配されないので、まだ事実になっていない未来に対応できる能力があるということです。
未来とは、人間にとって夢であり、希望であり、理想です。

夢や理想とは、現実よりももっと素晴らしい世界だから、
理性は現実よりも素晴らしいことを考える力を持っているということができます。
理性は現実批判の能力であり、現実よりも素晴らしいことを考える能力だから、
理性を持っている人間だけが、歴史や文化を創造することができるのです。

具体的に素晴らしい未来である夢を語る力を与えるのは、現実に存在する問題と欲求です。
未来がどのような内容になるかは、今ある問題を乗り越えることで生まれるものであり、
今を生きている人間の欲求がどのようなものであるかによって決まります。
感性が感じた問題や欲求に、理性でどう対応するかで決まります。
未来はどうなるかという予想をするのではなく、政治家は「未来はこんな国にするんだ」
という理想を語り、経営者は「今はまだできないけど5年先にはこんな会社をつくる」という目標を語り
「自分は将来こんな人間になるんだ」
という夢を語る力で、未来は決まるのです。           
                                                                                  
「風の思い」より

※「私には夢なんかない」って言うの聞いて
「よかったね!これからどんな夢でも持つことができるね」って誰かが言ってましたね。


やさしい笑顔と光がすべての方に届きますように・・


※「風の思い」1,000円 + 税 + 送料


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※お問合せは・・・
思風庵哲学研究所