●助け合って生きるための学問
誰も、この苦しみを、気持ちを、わかってくれない。
誰も俺の事を本当にはわかってくれない。
この思いは、誰の胸にも、死ぬまで付きまとうものである。
人間は、本質的に、根元的に、
誰でも、皆、さみしいのである。孤独なのである。
しかし、また、人間は、
この誰にも理解されない心を抱えて
人と共に生きて行かなければならない存在である。
そこで、人間は、人と共に生きる為に
人に語りかけ、話し合い、理解し合えるように努力するのである。
いや、努力しなければならないのである。
なぜなら、みんな同じ人間であるからだ。
この、孤独である人間が互いに理解し合おうとし、
その為に、全人類に共通する真実を求め、
それを手がかりに助け合って生きようとする努力、
これこそが他ならぬ哲学なのである。
主義主張で対立する事が哲学なのではない。
「感性の時代」より