かねてからの悲願であった強度行動障がい者の家族会を設立したいと考えています。
おかえりを設立して5年目になります。私と同じような悩みを抱え、決死の思いで相談されてくる親御様達は後を立ちません。
相談を受けながら、支援につながらず、自助に追い込まれているご家庭の問題解決への道のりには様々な壁にぶつかります。
1. 地域に受け入れ施設がない、必要なサービスがない、など地域格差の問題
2. 障がい者が住宅を借りにくい、問題行動に対応した設備にするためのリフォーム代が高額である、騒音による近隣とのトラブル問題、などの住宅問題
3. 強度行動障がい者に対応できる施設や人材が不足している問題
4. 必要な福祉サービスに繋がらず、孤立した状態のまま介護している親が高齢化している問題
などなど
地域格差の問題
地方になると重度訪問介護などのサービスがそもそもなかったり、あっても短い時間でとても24時間365日対応できなかったり、人口が少ない地域になると障害福祉サービスが機能せず、高齢者施設しかなかったり、地域によって受けられるサービスに大差があり、地域で孤立しているケースは少なくないです。
住まいの問題
強度行動障害者の1人暮らしによる自立を目指しても、障がい者に住まいを貸してくれるオーナーさんがなかなか見つからなかったり、騒音や脱走などの問題行動に対応する為のリフォーム資金が高額であったり、住居に関する問題は個人で解決するのは困難です。
強度行動障害に対応できる専門施設、
支援者不足の問題
私が在住する福岡市では強度行動障がい者に対応した専門施設やサービスなどがありますが、利用者が多くて順番が回ってこないのが現状です。通常の福祉サービスでは、行動問題を理由に利用を断られ、サービスはあっても支援に繋がらず、孤立したご家庭は未だ続発しています。
親の高齢化の問題
福祉サービスに繋がらず、ご家庭で介護をされている親御さんが高齢化して、出口が見えない家族介護に追い込まれています。
これらの問題を知ってもらい、必要なサービスを訴え、孤立している家族の声を届けるには、当事者の団体を設立し、政府に提言する必要性があると痛感するようになりました。
日本全国にいる孤立した強度行動障害がある人とそのご家族を救う為には、自治体だけの取り組みでは解決しません。国が地方も含めた対策を考案する必要性があります。
強度行動障害がある人達は歴史上、その存在を隠されてきました。いわゆる座敷牢や閉鎖病棟で人権も何もない扱いを受けてきました。他に選択肢がなかった家族も苦しんできました。
彼らが持っているこだわりなどの特性や感覚過敏は、脳の障がいであり、適切な医療や行動療法、教育、福祉支援のアプローチが必要であるにもかかわらず、何も配慮されないまま、行動障害という2次障害が発生して強度行動障害と呼ばれる状態になってしまっています。
SDGsが叫ばれる昨今でも、強度行動障害がある人を適切にサポートする施設はまだまだ少なく、孤立した環境は変わらないままです。彼らにも明日はきます。彼らも、未来を生きていかなくてはいけません。
そのために、まず彼らの理解者である家族で力を合わせる為にも、家族会を発足し、現状を知ってもらい、必要なサービスを政府に訴え、社会を変え、未来を変え、彼らが安心して地域で暮らせる社会を作っていきたいと思っています。ご賛同して頂けるご家族はぜひ、ご協力お願いいたします。詳細は、近日中にホームページで告知致します。