かつて、「美人の日本語」という本に紹介されていた言葉を

いくつか紹介したことがありました。
 
 
 
 
実はその本、
私がずいぶん前にバトンに参加していた時に
当時、そらさんがデザイナー時代から拠点にしていた
南青山のサロンのラックにあったもので
 
それは、デザイン関係の分厚い大型の本の合間に
さりげなくあったものを
私がなにげなく手に取って見ていると、
 
「それ、あげるよ。」 って言われてもらった本でした。
 
 
今になって振りかえってみると、
それはとても貴重なことでした。
 
 
何が貴重かって
 
そらさんは本を読まないのに(笑)
そのそらさんが持っていたという稀少すぎる本が
なぜだか私のもとにやってきたということで。(笑)
 
 
その当時はまだ
そんな本をそらさんが持っていた意味も理解できていませんでしたが
今になっておもえば
一流のデザイナーとしてのそらさんだからこそ
手にしていたものだったのでしょうね。
 
 
その本に紹介されている言葉たちは
365語で、日めくりカレンダーのように日付があって
その日の言葉が紹介されているかたちになっていて
七色がちりばめられたインデックスがついている
デザインも優しく素敵な本でした。
 
すべての言葉が
その時節を表すものという構成でもなくて
(美人に時節はないから?笑)
しょっちゅう見ていたわけでもなかったけれど
 
ふと気になって
ちょうど今の年月のところを見てみたら
そこに『人間』という言葉がありました。
 
 
私はずっと、なぜだかわからないけれど…
 
『人間(にんげん)』という表現の発音が好きではありませんでした。
 
でも、この本にあったことを読んで
そのわけが確信を持って腑に落ちてゆきました。
 
 
じんかん』と読めば、仏教用語で、人の住む世界、現世のこと。
 
ひとま』 と読めば、人のいない時。
 
ひとあい』と読めば、人づきあいや、人に対する愛想のことで
人愛』  とも書きます。
 
 
どの表現も、人と人との関わりを表す言葉ですが
 
人間ひとあい)』という表現そのものがそれだけで
人と関わるということを表していたのですね。
 
 
『にんげん』と『じんかん』は、音読みで
『ひとま』 や『ひとあい』は、訓読みで
 
音読みにする漢字表現というのは
基本的には大陸からの漢語に由来しますが、
 
訓読みにする表現は
和語(古来の日本語表現)である大和言葉なんですよね。
 
音読みの言葉って
なんだか機械的で、濁音があったりして
柔らかさや優しさが感じられなくて
私には訓読み的な表現のほうがしっくりくるのです。
 
 
 
そんなふうに感じる私だから
「日本人に生まれてきた意味は?」
なんてことが意識に浮かんでくるのかな。
 
人間』が『ひとあい』とも読んで
人愛』とも書くなんて
 
もう、それだけで
 
いつの時代に誰がそう表現しようとおもったのか
 
そんなことは関係なくて

そんな素敵なことを知っただけで
 
その本にはその意味として解説のないことまで
私の中でどんどん広がっていって
なんだか私は日本人なんだなってじんわりしてくる。
 
 
 
人間』は『ひとあい
 
 
そうおもうと
 
人間』と書かれた文字を声に出さずに心で読むときも
 
これからは『ひとあい』って丁寧に読む私になってゆく。
 
 
 
 
それはきっと、
 
そんな私になるんじゃなくて
 
そんな私に戻っただけなのかもしれない。
 
 
 
5年間気づかれることのなかったその表現に
 
今ふれて
 
そらさん、ありがとう。
 
 
 
shiho
 

 

 

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