やばい女
コウが小6のときのお話です。
の続きです。
最初からはこちら。
【登場人物】
●吉田先生:小学校支援級の主任の女性教師。厳しくも愛がある先生。
●丸山先生:コウの支援級の担任の女性教師。若いけど情熱がある先生。
●猛くん親子:コウの5歳下の男の子。他害が多いが、お母さんは気にしていない。
●サトシくん親子:コウの3歳下の男の子。コウによく懐いている。お母さんは物静かな人。
第1章【第4話】
授業参観の前も何度か
先生から電話が来たことがあります。
『コウくん、お友達に引っかかれて…』
『噛みつかれて…』
誰がやったか名前は出ませんでしたが、
授業参観で猛くんを見てからは
相手は明らかでした。
もちろん、猛くんのお母さんから
謝罪の電話などは無し。
授業参観の数週間後に行われた
個人懇談では、丸山先生から
『いつもコウくんを守れず、申し訳ありません
』
と謝られました。
『うちは全然大丈夫ですから』
前の学校でも、
1個下の女の子から暴力を受け、物を壊され、
お母さんから謝られないことはあったけど。
その時は本当に腹が立ったけど。
6年生になった今は
環境もコウ自身も違います。
もう来年には中学生になるコウは、
1年生にやられてヒーヒー泣くようでは
ダメだと思っていました。
そこで吉田先生からもお話が。
『授業参観で見たと思うけど…コウは猛が暴れる“前兆”みたいなものが瞬時に分かるのよね』
吉田先生曰く、
目の色が変わるときがあり、
コウはそれを野生の勘のように
感じ取って逃げるんだそうです![]()
『私達も“あ、やばい、来る!”ってのが分かって、これでも結構未然に押さえつけてはいるんですけどね…ごめんなさいね』
力なく笑う2人のトレーナーをまくった腕は、
打撲のようなアザやひっかき傷、
爪をめり込ませたような跡が
いっぱいありました。
大変な仕事だよな…教師って![]()
『あ、でも吉田先生!ほら、コウは下級生を守ってくれますもんね?!』
『あ、そうそう!
逃げるときは必ずサトシを連れて逃げるのよ。
私達も正直ね、助かってます
』
その言葉に私は、少しホッとしました。
まだまだ知能が足りないコウだけど、
6年生としてちゃんとやれてるんだな![]()
そして話題は中学の進路について。
言動と知能の凹凸が激しいコウは、
教育センターの判定では
特別支援学校判定がでて、
(しかも拠点校ではなく支援学校が望ましいというコメント付)
吉田先生は支援級のほうがいいと
言っていました。
吉田先生は、
『教育センターでそんな判定を出すなんて、ちょっとしかコウを見ず分かってないんじゃないか』
と、市に対して怒るほどでした。
当時のコウは、
精神面は落ち着いていて
会話のコミュニケーションも問題なし。
ただ学力が、
漢字:小2程度
算数:小1程度
という状況でした。
吉田先生は、
『学力なんてどうにでもなる。大事なのは社会性』
『コウと同レベルの学力で、支援級に行った先輩もいる』
と、支援級推し。
夫婦でも意見が分かれ、
この時は猛くんにやられることなんて
私にとっては正直
ハナクソみたいな問題だったのでした。
続きます。







