去年の8月頃のお話です。
の続きです。
淡々とトゲのある言葉を吐く
公文の先生。
でもなぜか、
そのトゲは私にだけで、
コウへはただただ、
『すごいねー』『よくできたねー』
と褒めるだけでした。
そりゃすらすらできるわけです。
コウにでも解けるほどの
簡単な問題をやってるわけですから
でも褒められてるコウは、
ご満悦。
先生はコウを褒めたその足で
後ろの私の所へ来て、
『字が汚いです』
『枠におさめて書かないです』
と言って、最初にメールで言っていた
若草に通ってるという子が書いた
プリントを見せてくれました。
それは、プリントだけでは
健常の子が書いたと思ってしまうほどの
キレイな字でした。
『学力もですけど、字がキレイかどうかは先生が見たときに大きく印象を分けますので、そもそもコウくんの場合、受験以前の問題でそれができていないかと』
はい…。
分かってます…。
私が今まで
指導してこなかったからです…。
言われてることは全部ごもっともで、
ド正論なんですが、
支援級や支援学校の先生から言われるのと
障害をよく知らない人に言われるのは、
やっぱり私にとっては違います。
このトゲ攻撃が1時間続きました
さすがに隣で本を読んでいたシュウも
飽きてきて、
『オレもう帰りたい…』
と言い出しました。
それがコウにも聞こえたのか、
『よし、今日はこれで終わりにしよう!』
と勝手に終了宣言。
すると。
『分かりました、今日は終わりにしましょうね。
でも次からは、終わりかどうかは決めるのは私ですからね。
分かった?弟くん』
え?
シュウはなんのこっちゃで
きょとんとしていました…
そして帰り際。
何となく次もある的な雰囲気だったので、
私はどう切り出そうか悩んでいました。
“やっぱりコウには厳しそうなんで、いいです”
と断るか、
“家に帰って主人と相談します”
と言って逃げるか…。
ですがふと振り向くと、
コウが先生とカレンダーを見ながら
『次は〇日に来るんだね!分かった!さようなら』
と勝手に次の日程を決めていました
そして先生は、
『とりあえず8月いっぱいは体験で通えますので、週2回来てください』
と言いました。
えぇ…?
わ、分かりました…
と帰ろうとする私を、
先生はさらに呼び止めてとどめの一言。
『学習系の放課後デイがあるのご存じですか?
そちらも行ってみてはいかがですか?』
…何も知らないくせに。
すごすご帰ろうと思っていましたが、
通うにしても通わないにしても、
この先生には一言伝えないと、
という気持ちが出てきました。
『…中学生だと下校時刻も遅くなるので、放デイを使っても滞在できる時間は少ないんです。
デイ側も滞在時間が長い子を受け入れたほうが事業所にとって有利なので、下手したら断られることもあります。
だからこそ障害児の中学生でも受け入れてくれる塾を探してたんです』
怒ってる感じは出さず、
かといって下手に出る必要もないと思い、
私も淡々と説明しました。
先生はただ一言、
『そうですか、ではまた次回』
だけ。
もう私は行きたくないな…。
でもコウは楽しかったようで、
体験でもちゃっかりもらってきた宿題を
家で黙々とやっていました。
『次は金曜日~♪』
とルンルン。
…そうだ。
そもそもは通うのはコウと
言い聞かせてきたじゃないか。
私は心を奮い立たせて
1ヶ月公文へ通い続けたのでした…。
続きます。