の続きです。
伊藤先生からもらってしまった
ナンヨウハギのぬいぐるみを
バレないようにリュックに入れていたのに、
昇降口で冬子さん・冬樹くん親子に
会うと、コウはおもむろに
リュックを開けました。
おいおい、何すんの?!
…と思ったら、
履いていた上履きを
リュックに入れようとしたようで…。
ちょっとホッとしました
『コウくんママ、面談どうだった?』
冬子さんは早速話しかけてきて、
コウには目もくれないようだったので、
よかった…と思いながら
『まぁ…普通でしたー』
と当たり障りない会話で済ませよう
としたのですが。
ふと、コウを見ると。
リュックからナンヨウハギを出しちゃいまして
たぶん…
上履きを入れる
↓
あ、ナンヨウハギだ!
↓
かわいー
ってなっちゃったんだと思います。
当然冬子さんにも見つかり。
『コウくん、どうしたの?そのナンヨウハギ』
やばい
どうしよどうしよ。
あ、そうだ!
家から持ってきたことにしよう!
『そうなんですよー、家に…』
『伊藤先生にもらった』
おいー!!
案の定、詰問されました。
『え、どういう事?!』
『伊藤先生がくれたって、なんで?!』
絶対にありのままを話すわけには
いかないと思い、
申し訳ないけど嘘をつきました。
『いやーナンヨウハギが忘れられなくて、そしたら伊藤先生が“今度奥さんの実家に行く際に買っときますよー”って言ってくれてて、で今日お支払いして受け取って…』
我ながらくどい
うちの夫並みにくどい
人間、嘘をつく時は
言わなくていいこともべらべらと
言ってしまうんですね
信じたかどうかは分かりませんが、
くどくてよく分からないと思ったのか
冬子さんがそれ以上追及してくることは無く、
『じゃ、面談の時間だからー』
と去っていきました。
コウに空気を読むという事が
出来るようになる日は
永遠に来ない気がします…
続きます。
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