の続きです。
支援級版・部活動
ともいえる、生活クラブ。
コウも入学してすぐに
生活クラブの利用届を出しました。
コウ本人も、小学校とは違うクラブに
大人っぽさを感じたようで、
得意げに通っています
そして何度目かの生活クラブの日、
私はクラブが終わる17時過ぎに
コウを迎えに行きました。
昇降口で10分ほど待っていると、
廊下の向こうから男の子達の話し声が
聞こえてきました。
放課後の学校の廊下は声がよく響きます。
廊下を見るとだいぶ遠いですが、
3人の男の子の姿が見えました。
あれは…コウか??
3人のうち、真ん中にいるのは
どうやらコウでした。
3人ともネクタイの色が違います。
この学校は学年でネクタイの色が違うので、
2年生と3年生の先輩に挟まれて
コウはこちらに向かってきていることが
分かりました。
おそらく2人とも生活クラブの先輩。
同じA組の仲間です。
ふと、私はコウが学校で、
私の目がないところで、
どんな態度なのか
どんな会話をしてるのか
知りたくなりました。
私は昇降口の奥に隠れた…
というより廊下から見えない位置で
3人を待ちました。
↑さすがにここまではしてないけど。
近づいてくるほど、
会話の内容まで聞こえてきます。
…ん?
会話をしているのはほぼ先輩達だけ。
コウの声は聞こえてきません。
それどころか、
先輩のうちの1人は怒ってる
ような声のトーンでした。
そしてもう間もなく昇降口に着く、
というところで、
はっきりと怒っている先輩の子(3年生)の
言葉が聞こえました。
『先輩だからとかじゃない。
挨拶くらいお前なんでできないんだ!』
コウが怒られている
挨拶ができないことを先輩に怒られている。
もう一人の先輩の子(2年生)は、
見るからにムードメーカーの
お調子者のような子です。
その子は一生懸命明るい声で
『コウはまだ緊張してんだよな?な?』
とコウをかばっていました。
突然のことに、
私は一瞬固まってしまいました。
我が子が怒られてることにショック…
というのは全く無く、
むしろ私に見つかったら
せっかくコウを叱ってくれてる先輩が
やべっ!てなって、
変な雰囲気になりそう
と思ったからです。
そして廊下を曲がり、
昇降口で私は3人と対面。
『あ、コウのお母さん!こんにちは!』
ムードメーカーの子が
私にさっきまでと変わらぬ口調で
挨拶をしました。
『あ、こ、こんにちは』
私のほうがドキドキしちゃって。
見ちゃいけないものを見たのが
見つかってしまった罪悪感。
でも怒っていた3年生の子は、
私の顔を見ても焦った様子はなく、
さらにはっきりと私の前で
コウにある言葉を言いました。
それは私にとって、
思いがけない言葉でした。
…続きます。
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