の続きです。
やさぐれた思いを抱えたまま、
授業参観は終了。
続いてA組全体の保護者懇談会
が開かれました。
2~3年生になると、
自分で自転車で登下校しているので、
授業参観が終わったら生徒は各々で下校。
親と一緒に帰るという
コウを含めた数人の生徒は、
隣の教室でDVDを見ることに
なっていました。
懇談会が始まるまでの間、
席について机にあった資料に
目を通していました。
A組の保護者はPTA活動には
参加しない代わりに、
親の会という組織に属し、
小学校との交流会の準備や
卒業生などを呼んで行う
講演会や勉強会のセッティングなどを
行うそうです。
ふーん……ふむふむ…。
仕事への影響はあまり無さそうだな…
やるならどの係がいいかな…
ってか1年の保護者も選べるのかな…
…
……
………
え?!
ふと横を見ると、
DVDを見るために隣の教室にいたはずの
コウがなぜかまた私に
ひっついてきました。
『ちょっと、コウやめて。向こうで待ってて』
『やだ、ママー
』
すぐに伊藤先生が来て、
『コウくん、戻ろう。
お母さんこれからお話があるから』
と言い引っ張ってくれましたが、
コウは動きません。
それを見ていた他のお母さん方が、
くすくすと笑い始めました。
決してバカにする笑いではなく、
『かわいいー
』
『うちの子もそんなんだったの、何年前かな
』
『ママの事大好きなんですね
』
と言ってきて、
『はは、ははは、いやー…はぁ…
』
とごまかしました。
『いやー…ちょっと前までコロナで二人で隔離になって…
そしたらこうなっちゃいましてー…
』
と自虐を含めて話したら、
笑いが起きて場が少し和やかになりました。
…が。
私は全然和やかな気分ではありません。
やめてよ
恥ずかしい
早く向こうに戻ってくれ
そればかり思っていました。
やがて懇談会の準備を終えた川崎先生が
教室に入ってくると、
『お!コウくんも懇談会出るのか?
子供には退屈な話ばかりだぞー
』
そう、川崎先生。
もっと言ってやってください!
向こうに行くように言ってください!!
もうすがるような目で
川崎先生を見ました。
ですが。
『じゃあ、ちゃんと座っとけよー
』
そう言って私の隣の机を私にくっつけ、
椅子に座るようにコウを促しました。
なんでー?!![]()
椅子には座ったものの、
その後コウの独り言が止まらず。
川崎先生が話してる途中でしたが
どうしても私が我慢ならず、
『先生ちょっとすみません、隣に置いてきます
』
と言って教室を出て、
ほぼ強制的に隣へコウを送り込みました。
幸い私の席は入口よりだったので、
懇談会を中断するほどにはならずに済み、
伊藤先生が察してくれたのか
脱走しようもんなら
コウを押さえ込んでくれたので、
その後脱走してこちらに来ることは
ありませんでした。
帰宅後は、どっと疲れが![]()
初日からこれじゃ、先が思いやられる…。
こうしてコウの中学校生活は
波乱のスタートを切りました。
…続きます。



