コウの連絡帳事件は
岩田先生からの電話は
『おそらくこの子がやったんじゃないか、という可能性がある子が出てきた』
という内容でした。
………え?
思わず固まってしまいました。
コウは相変わらず、
『オレが書いたの!』
としか言わないので、
これはもう本当にコウが書いたのかも
と思っていましたから。
『可能性の話なので、まだ詳しくはお話しできないのですが』
岩田さんはそう断って、
次の事を話してくれました。
まず疑っている子というのは、
学校から放課後デイへの送迎時に
隣に座った男の子だということ。
衝動で何でも
ビリビリ破く特性がある
という、あの子でした。
『状況から考えて、やれるのはどう見てもあの子しかいないんです』
『その子はあんな、“くず”とか“死ね”って言葉は、普段よく使うんですか?』
『いえ、ただ…』
そして次に岩田さんは、すでに
その子の母親には伝えている
ことも教えてくれました。
『…で、お母さんに聞いたところ、“校内で上級生が下級生においクズども!と言ったりしてるそうです”』
それを日常的に聞いてるので、
クズという言葉を使う可能性はある、
とのことでした。
すごい学校だな…
『コウくんと同じでその子も、問い詰めちゃうと本当の事を言わなかったり、貝のように口を閉ざしちゃうんです。
なので、お母さんから様子を見てもらって、機会を伺ってるところです』
『…お母さんは…何と言ってるんですか?』
『…あり得るかもしれない、と。
うちの子ならやるかもしれない、と仰ってました』
この事件の事はその子のお母さんとも、
岩田さんはまだ電話で話しただけだそうで、
実際に破れた封筒や連絡帳のページは
まだ見せてないとのことでした。
そりゃそうだ、あんなの見たら、
自分の子が書いたかもと言われたら…
初めて見た時は私も
一瞬意識が飛びそうでしたもん
『また進捗がありましたら連絡しますので、もう少々お待ちください。
まずはご報告まで…』
電話を切った後も、
私はぽかーんとして
状況を整理できずにいました。
その子は…そしてお母さんは、
一体どんな気持ちなんだろう。
岩田さんの話し方から、
なんとなくそのお母さんは
麻ワンピみたいなぶっ飛んでる系じゃないな
という気がしました。
でも本当にその子がやったとしても、
辻褄の合わないというか、
納得がいかないところも多々あるんです。
それは…
長くなっちゃったので、また次回書きます。



