みなさま、おはようございます。
今日はドイツのお菓子屋のお話。
ドイツのお菓子といえばまず思い浮かべるBaumkuchen(バウムクーヘン)。
「Baum=木 +Kuchen=ケーキ」という名前通り、
切り株のような見た目が特徴です。
そしてもう1つ、先日ご紹介したStollen(シュトレン)。
ナッツやスパイス、ドライフルーツがたっぷり入ったクリスマスのお菓子です。
最近では日本のパン屋でも見かけるようになりましたね。
この2つのお菓子を扱う老舗菓子店がKreuzkam(クロイツカム)。
1825年にザクセン州ドレスデンで創業した、かつてザクセン王室御用達の高級菓子店だったお店です。
第二次世界大戦時のドレスデン大空襲、そしてその後に続くソ連軍占領体制化の混乱の中、
当時の経営者はバイエルン州ミュンヘンへ。
生まれ育ったドレスデンを離れ、ミュンヘンでお店を継続させます。
お店の歴史や味を継続させるために、きっと苦渋の決断だったでしょうね。
そして1991年5月、東西ドイツ統一の翌年に、クロイツカムは再びドレスデンへ。
クロイツカムの復活を、町の人々はとても喜んだそうです。
ミュンヘンのクロイツカムは少し広めのゆったりとした路面店。
ドレスデンのクロイツカムは、Altmarkt-Galerie(ショッピング施設)内にあるので少し手狭ですが、
それでも装飾のタイルや雰囲気は、当時の優雅なクロイツカムの面影を残しています。
ミュンヘンとドレスデンにあるクロイツカム。
ただの支店かと思っていましたが、こんな歴史があることに驚き。
Qronikで扱う雑貨たちと同じように、クロイツカムも歴史に翻弄されつつも伝統を守り続ける、
「ドイツ」ものなんですね。