中世の町ローテンブルクで中世のお祭りMeistertrunk(マイスタートルンク) | ・

みなさま、おはようございます。

昨日までドイツは三連休でした。
聖霊降臨祭。日本ではあまり馴染みがありませんが、イエスキリストが復活した50日後に弟子たちに聖霊が降臨した日です。

毎年この時期、ドイツ・ロマンチック街道の人気年Rothenburg(ローテンブルク)では、あるお祭りが開催されます。

その名もMeistertrunk(マイスタートルンク)。


ローテンブルクには、「Meistertrunk(マイスタートルンク)=大酒飲み」と呼ばれる一人の英雄がいます。
英雄なのに、大酒飲み。
大酒飲みが、英雄。
何となく、ドイツっぽいヒーローですね。

さかのぼること、17世紀の30年戦争。
1618~1648年の30年間に及ぶ、ドイツを舞台としたキリスト教のカトリック(旧教)対プロテスタント(新教)の宗教戦争、これが通称「30年戦争」と言われています。

その戦争のさなかの1631年、プロテスタント側にあったローテンブルクは、ティリー将軍率いるカトリック側スウェーデン市に包囲占領されてしまいます。
有罪の宣告を受けていたローテンブルク市議会員&焼き払われる運命にあるローテンブルクの街。

そんながけっぷちの状況で、老市長ヌッシュは、市議会員と街を守るために立ち上がります。
「どうしたら見逃してくれるか?」

将軍は答えます。
「大ジョッキ(3.25リットル)のワインを一気飲みしたら見逃そう」。

3.25リットルを一気飲みなんて、できるわけない・・・と思いきや、さすがドイツ人。
ヌッシュは見事に飲み干しました。
ワインを一気飲みして町を救ったなんて、ドイツらしい逸話。
これかビールだったらなおドイツらしいですが、まあここは同じアルコール。
ドイツ人はお酒に強い!
この逸話は、ローテンブルクの市庁舎の仕掛け時計にも再現されています。

そして、この逸話を祝って開催されるのが「マイスタートルンク祭」!
中世の格好に仮装した村人たちが、街を練り歩きます。
このパレードに出られることは、その家にとって、とても名誉なこととか。
前にNHKの番組「世界で一番美しい時間」で特集されたときに、息子がパレードに出ると、とても誇らしげで素敵なお母さんが印象的でした。

美しい時間。
受け継がれる物語。
ドイツの小さな町のお話です。

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