
きなこです

おはぎが、下痢が続き便が出るときの耐え難い痛みが恐くて...食べると痛むお腹、酷い背中の痛みに耐え続けた日々から解放されることを期待して、初めて診察を受けた2012年9月26日から丸3年が過ぎました。
初診のその日、造影CTを取りに行く前に先輩と話して「今のところ出てる採血結果に大きな問題はないよ。CT行っておいで」と笑顔で見送られた。
外来に帰ってくると先輩の顔付きは一変してた。
受診に協力してくれた後輩の顔も凍りついてた。
診察室には先輩も後輩もみんな居てくれた。
誰もが凍りついた顔で。
先生からのCTの結果の説明では肺から順番に画像を移動させながら説明が始まって、明らかに膵臓の部分に異変があったけれど、その部分は飛ばされた...
最後に腫瘍マーカーの値と、膵臓周囲の画像を見せて
「はっきりした事はわかりませんが、この部分に何かあるかもしれないので、精査していきましょう」と。
涙がこぼれ落ちそうになるのを必死で耐えた。
診察室から出ると先輩が「あそこで泣かなかったね。よく頑張ったね」と声をかけてくれた。後輩たちも「なんて言ったらいいんだろう。」と困惑していて目には溢れそうになる涙がいっぱいだった。
医療者だったら誰もが言われなくてもわかる画像だった。
レントゲン室の方でもおはぎの同級生が働いていてCTを撮っている時点で技師さんに呼ばれ空気は凍っていたそうです。
母に電話しました。
「明日胃カメラとかエコーが入って付き添うから明日もお店休みね。」と伝えた後、「多分癌だと思う。転移もしてそう」と伝えた。
後から聞いた話だけど、母と妹は一緒にうどんを食べに行ってたそうです。
私の連絡で、妹も母もショックが大きくうどんが喉に入らなくなったそうです。
おはぎのお母さんにはおはぎがショック大きく電話出来ないというので私が電話しましたが、痛みがあったのに直ぐに病院に連れて行けなかった事を後ろめたくて先ず謝ったからおはぎのお母さんも要領を得なかったようで、おはぎに代わったのを覚えています。
最悪な1日でした。
病院からの帰り道。
おはぎは「膵臓がんだったら治療はしない。自分らしく残された時間、好きな事やって痛みだけコントロールしてもらって抗がん剤はしない。10年も外科にいたら最後くらい想像つくもん。ベットの上で体力消耗してやりたい事出来ないのは嫌だ」と...
私は何もわかってない(現時点で)に勝手に治療しないとか言うおはぎに苛立ち「そんな事はまだ何もわからないのに言わないで。いい治療があればやるべき」というとおはぎから
「私の人生に口出すな!」
今となっては名言ですが

「アホか!1人で今まで生きてきたと思うなよ!おはぎの人生はおはぎだけのものかもしれないけどおはぎだけのものじゃないんだよバカ!!」
と言い返したのを今でも覚えています。
2人で大泣きした最初だったかな...
そんな日から3年。
今日という日がある。ここにおはぎの笑顔がある。
簡単な道のりじゃなかった3年。
最初の受診から治療が始まりまでの1カ月。おはぎと真剣に死と向き合って話した日は大泣き。
先輩にも何度も何度も泣きながら電話して大きな力をもらっていました。
治療をしないというおはぎの気持ちを理解しながらも説得し続けた1ヶ月でした。
おはぎ本人も色々考えた日々でしたが、家族や友人全てが不安や恐怖、苦しみや哀しみと闘っていた日々でした。
見つかった癌が末期の進行癌であったという患者さんは今まで何人も見てきたけれど、どれ程の苦しみを抱えているか真剣に向き合ってきた事があっただろうか...
と看護師としてどうすべきであったのか、これからどう向き合っていけばいいのかと自分自信に降りかかって情けない話ですがやっと考える事が出来ました。
GEMから始まり、2回目でアレルギーが出てもうTS-1しか治療がないとなったときの恐怖。
TS-1が効果を表してくれたときの喜び。
抗がん剤治療の辛さを思い知った日々。
腹水が溜まり、CARTをするための入院の時はもう覚悟をしました。
FOLFOXに託し希望を持って臨んだ22クールは壮絶な治療で回を重ねる毎に辛くなる副作用は一緒にいる家族も耐えられない思いが込み上げて来る日々でした。
FOLFOXの耐性が出来てしまったときの落胆。
フォルフィリが始まり、大きくなり続ける卵巣への想い。
色々な事があった3年。
そして根治はできないけれどQOLを高めるために選択した手術を2週間後に控えています。
何を選択しても少なからず後悔はあります。今できる事、今だから出来る治療を今後も模索しながらおはぎがおはぎらしく充実した日々を過ごせるように私は日々頑張ろうと思います。
おはぎが納得出来れば後悔はしないと約束して始まった治療です。
辞めることをおはぎが選択するならば、その時はまた最善の環境を整えようと思います。
ブログを通して膵臓癌と闘う方々や家族、他の癌と闘い続ける方々、沢山の方との出会いがまた私たちの支えとなり、考え方を改めたり、共に頑張る力をもらえたり...
おはぎを支えてくださる全ての方に感謝して新しい一歩をしっかり歩んでいこうと思います。
自分にとって最善の選択を出来る医療がどこにいても受けられる世の中になりますように....
願いながら、私も患者家族として、医療者として日々頑張っていこうと思います。
今日の診察は感慨深いものになりました。
主治医の先生も自分の気持ちを正直に話してくださいました。ここはおはぎが書いてくれると思います。
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