スカボローフェアとドリア旋法 | アカシックレコードの世界

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The Knowing Way Japan (旧Gary Bonnel Japan)認定インストラクター&プロフェッショナルアカシックリーダー中島志保のつれづれ日記です。音楽家としても活動中です♪

スカボローフェア(Scarborough Fair)というと、昭和世代の方でしたらサイモン&ガーファンクルというアメリカのフォーク・デュオによるアコースティックギターと優しい歌声を思い出す方も多いと思いますが、もともとは、古くからあるアイルランドの伝承曲です。

 

スカボロー(Scarborough)はイギリスにある土地の名前、フェア(fair)は定期的に開かれるマーケット(市場)を意味します。スカボローフェアとは、スカボローという土地で年に1回、約1ヶ月半にわたって開催された大規模な市場のことです。この市場は中世から続いていたらしく、イギリスだけではなく周辺国からも商人たちが集まり、たいへん賑わっていたそうです。

 

スカボローフェアという曲は中世から歌い継がれてきた民謡ということから、歌詞にはたくさんのバージョンがあるようで、古くから歌い継がれてきた美しいメロディにいろいろな人が歌詞をつけて楽しんでいたようすが目に浮かびます。

 

神秘的な森と湖9(岸田AI_イラスト)

 

このスカボローフェアという曲は、長調や短調といった調性が生まれる前の、中世の旋法音楽で作られています。長調や短調といった和音(ハーモニー)を基盤にした音楽が作られるようになるのは17世紀のバロック音楽になってからであり、それ以前の音楽は旋法(モード)で作られていました。旋法はヨーロッパにおいては最終的に12種類に分類されています。

 

スカボローフェアで使われているのは、12種類ある旋法のうちのドリア旋法です。ドリア旋法といえば、グレゴリオ聖歌の天使祝詞「アヴェ・マリア(めでたし、マリア)」や復活祭で歌われる「過ぎ越しのいけにえ」もそうですし、日本の国歌「君が代」もドリア旋法です(「君が代」は正式にいうと雅楽における壱越調律旋にあたります)。メロディの構成で見ると「レ」がフィナリス(終止音)で「ラ」がドミナント(支配音)になっているのがドリア旋法であり、他の旋法と比べてもっとも"凛"としたエネルギーと揺るぎない神聖さを感じさせるものです。

 

アヴェ・マリアとスカロボーフェアと君が代・・・。なるほど、どれも同じような雰囲気を持っている~って感じる方は、ドリア旋法の感覚をつかんでいると思います。奥深いドリア旋法を味わいましょう~♪