13世紀ドイツの神学者で錬金術を探究していたアルベルトゥス・マグヌスは、チコリーを「太陽の花嫁」と名づけました。また、古くからある伝説によると、チコリーは魔法にかけられたお姫様だということです。その青い瞳は、恋心を抱いていたにもかかわらず聖地エルサレムへと旅立ってしまった騎士をずっと愛し続け、彼を引き寄せた東方の道を常に見つめています。太陽が出ているときだけ咲くチコリーの青い花は、永遠に消えることのない深い愛を表現しています。
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チコリーが秘めている魂は、母性本能と、献身的な愛です。
●チコリーの性質がマイナスに現れたとき
母性本能と献身的な愛が否定的なかたちで現れたときは、利己的で自己中心的な愛に変わります。
チコリーを必要としている子どもはたくさんいます。ベビーベッドの中に放っておかれた赤ちゃんは、お母さんの注意をひくために泣きます。そして成長するにつれて、泣くのではなく新しい手段を使うようになります。親から愛情を注いでもらいたいために病気になったり、親に気に入られるために学校の勉強を一生懸命やったり、熱心にお手伝いをしたりと、親に目を向けてもらうためのありとあらゆる努力をします。親に対する反抗的な態度も、自分に注目してもらうための手段のひとつです。
チコリータイプの母親は、愛する家族と共にいるときが、もっとも幸せを実感できるときであるため、子どもたちが成長して大人になってもつながりを持ちつづけ、頻繁に連絡をしたり、休日になると家に帰ってくるように促したりします。
●チコリーの性質を持つ人
子どもの頃に、両親が仕事で忙しかったり、両親の愛情が自分ではなく弟や妹に注がれていたりしたことで、愛されているという実感が欠如した経験があると、大人になっても、自分のまわりの人の注目や愛情を集めようと一生懸命になる傾向があります。自分の心の奥底に虚しさがあり、他人から承認されたり、愛情表現をしてもらったりすることによって、はじめて、自分自身の存在を感じることができるのです。チコリーの否定的な側面が強い人は、このような欲求を満たすために、強い意志の力を使って、人から感謝されたり愛されたりする自分を創り出します。他人に対して過度に親切に振る舞ったり、世話を焼きたがる人は、チコリーの傾向にあることが多いです。
●チコリーで得られる目覚めた状態
自分の心を満たすための愛情が、魂を源とした愛情に変わります。そして、人を愛するという行為で人を操作することなく、魂の命じることだけに耳を傾け、無私の心で愛情を与えることができるようになります。
無私の心で表現される愛とは、何の見返りも期待もすることなく、また、家族という枠組みを超えて、誰に対しても分け隔てなくエネルギーを惜しみなく注げるものです。この愛は大きな翼となり、多くの人々に暖かさと安心感を与えることでしょう。
〈参考文献〉
メヒトヒルト・シェファー著「バッチの花療法」フレグランスジャーナル社
メヒトヒルト・シェファー著「魂の植物」フレグランスジャーナル社
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