箱舟から出たノアの息子は、
セム、ハム、ヤフェトであった。
ハムはカナンの父である。
この三人がノアの息子で、
全世界の人々は彼らから出て広がったのである。
さて、ノアは農夫となり、ぶどう畑を作った。
(旧約聖書 創世記 第9章より)
言い伝えによれば、大洪水から免れ、箱舟(はこぶね)を下りたノアは、大地に足をおろしたあと、まず最初にバインの木を植えて育てました。そして実った葡萄の果実でお酒を作り、それを飲んて酔っ払い、そのまま小屋で眠り、その後、セム、ハム、ヤフェトをめぐる一連の出来事が起こりました。
人を酔わせる飲み物は、地上で大洪水が起こる以前の、ノアが逃れたアトランティスの文化を、その魔法のような液体で一時的に忘れ去らせ、新しい地上の現実に向き合うように力を貸すためのものでした。まさに地球の血液である葡萄酒を体内に取り入れたノアは、アトランティスの世界という容赦ない過酷さとうまく対峙することができました。ノアは、厳しさと残忍さで、共存する動物を家畜化し、同胞を制圧していきました。そしてそれを進める中で、繊細な感性を鈍らせていきました。
地中に深く根を張り、自ら直立しようとしないバインの木は、鉄器時代、すなわちカリユガ(サンスクリット語: 黒の時代)の魔法的な植物です。不安定な自然環境、競争や争いといった過酷な人生の中で利己心を強め、繊細な感性を完全に閉じ込めてしまった人がふたたび神とのつながりを持つための薬となります。
イエス・キリストは最後の晩餐で12人の弟子たちとともに葡萄酒で聖なる食卓の儀式を行いました。このように葡萄酒が神聖な役割をもつ文化は、長い年月とともに、人間が魂の神の原型からもっとも遠ざかり、肉体に閉じ込められた意識であるエゴ(自我)のパーソナリティ(人格)が小さな神として台座に据え付けられる文化になりました。目に見えない世界ではなく、目に見える世界にある物質に徹底的に取り組み、その仕組みと法則を見いだし、超感覚的な経験は怪しいものとして隅に追いやられました。しかしながら、物質世界も行き詰まり、新しい世界が明け始めています。それは、水の精の目覚めによって・・・。
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バインが秘めている魂は、真の王、または真のリーダーです。
●バインの性質がマイナスに現れたとき
権力志向があり、他の人々のさまざまな個性に敬意を払うことができない人は、はたから見ると無情に見えます。バインのエネルギーは非常に強力で、並外れたリーダーシップを発揮すると同時に、家族であれ職場であれ、まわりの人々に極端な要求をつきつけます。人は、自分の内側からこのバインのエネルギーが噴出しているとき、この強力なパワーを自己中心的な目的を遂行するために使いたいという欲望に駆られてしまいます。
●バインの性質を持つ人
バインのタイプはとても有能で野心家です。彼らはどのような危機に陥ってもそこから脱することができ、常に主導権を握り、競争においては常に上位につき、成功します。このような経験から自分の判断は絶対に間違いがないと確信し、自分のやり方で物事を進めるように仕向けます。自分の内側に流れる強くて大量のエネルギーが、高い次元の計画のためではなく、自分の虚栄心を満たすために使われているのです。神聖さをもたないのに神のように振る舞う人は大変危険な存在となります。歴史的に独裁者に位置づけられている人は皆、このバインのタイプです。
●バインの性質がプラスに現れたとき
バインのフラワーレメディを飲むことによって、少しずつ、高次の自己と魂の目的に対して自分の心が開かれていきます。そして、常に前進し続ける強い心と周りに気を配る慈愛の心、意志の力と叡知の力といった対極にあるものが統合され、自己中心的な行動が、大いなる全体とのつながりをもった行動に変わることでしょう。し、慈愛そしてそれまで何かをコントロールそうすると、強い意志の力に慈愛が加わり、強さに知恵も加わり、自己中心的な行動が、大きなる全体とのつながりをもった行動へと変わります。その時、新しい強さを得ていることに気づくことでしょう。
〈参考文献〉
メヒトヒルト・シェファー著「バッチの花療法」フレグランスジャーナル社
メヒトヒルト・シェファー著「魂の植物」フレグランスジャーナル社
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