気になった鼠径部の傷

退院後、気になったのが鼠径部の傷だ。カテーテルを挿入するために切った部分である。傷の周りが、青紫のあざのようになり、それは広がり、その色は濃くなっていった。医師や看護師から説明がなかったこともあり、これが正常な過程なのかわからず不安を感じた。退院2日後、かかりつけの循環器内科で、診てもらった。結果、問題はなかった。そうなるものらしい。そのうち、青紫のあざのような部分は移動していくだろうが、気にしなくても良いとのことだった。ほっとした。

 

 平穏な日々

私のメモには「2022年4月2日(土)ビソプロロールフマルをやめる」と記してある。

2月23日(水)に退院し、その際、焼いたばかりの心臓が少し落ち着くまでと処方されたビソプロロールフマル0.5錠は28日分だ。手元に残っていたビソプロロールフマルを飲んだのか、飲み忘れが数日あったのか定かではない。

 

1つ言えるのは、過去の経験からビソプロロールフマル0.5錠は私にはたいして効果がなかったということだ。1錠飲まなければ効かなかったのだ。術後1か月以上、発作は起きていなかった。もしかして、カテーテルアブレーションは成功したのかもしれない。希望が湧いてきた。

 

朝食後、薬を服用しなくてもよい毎日が訪れた。3年3か月ぶりだ。爽快だった。1週間が過ぎ、2週間が過ぎ、私の期待は膨らんでいった。

 

 希望はついえたか

2022年4月18日(月)、朝食後ソファーでテレビを見ながらコーヒーを飲んでいた。その時、きたのだ。あのドクドクという波が。「うそでしょ~」私は誰もいないリビングで叫び声をあげた。やはり、だめだったのか。覚悟はあったが、希望もあった。私は本当に97%という成功率の手術(カテーテルアブレーション)からはじきだされたのか。ビソプロロールフマルを飲んでみた。止まらない。止まるわけがない。脈は150を超えていた。夫も息子も家を出たあとだが、幸い、私は歩けるし、そこまで苦しくもない。心電図をとらなければ。かかりつけの循環器内科に電話をして、病院へ向かった。

 

 病院で

病院へ着くと、すぐに心電図をとってくれた。しかし、心電図では異常が見られなかった。通常より少し脈が早かったようだが、異常というほどではなかった。発作が止まったのだ。いつ止まったのかわからなかった。そんなことがあるだろうか。ドクドクというあの不快な早い鼓動が止まる時は気づくものだ。医師は、まだ術後、時間が経っていないこともあり、たまたま今回、何らかの拍子でそのようなことになったのかもしれない、アブレーションが成功しなかったと判断するには時期尚早だというようなことを言ってくれた。心電図で発作性上室性頻拍が確認できない限り、医師も何とも言えないのだろう。私も希望を持つことにした。今回1回きりで、今後、何事もなく過ぎていくかもしれない。深く考えるのはよそう。自分に言い聞かせた。

 

次回へ続く。

完全なる敗北【発作性上室性頻拍⑬】

 

 

 

ママのチーズケーキ

 

 

三ツ星ファーム