4日前から、仙腸関節~尾骨のあたりに痛みを感じるTさん。
さらに、自転車に乗った際、ハンドルを持つ姿勢で右上腕の重だるさを感じる。
<検査>
エネルギー的に見ると、仙腸関節、尾骨(第一チャクラ)の固さ(エネルギー低下)、胃・小腸・胸腺などの臓腑の問題。
右小指の経絡に問題あり。小指に軽く気を入れて挙げてもらうと軽くなる。
以前、事故による骨折を小指付け根に起こしており、以来、朝のこわばりがあるという。
仰臥位で、左股関節のつまり(屈曲、内旋)がある。胃経・胆経の気の流れに問題あり。
<処置>
エネルギー療法。
臓腑、構造、自律神経、頭蓋骨、脳脊髄液、経絡、筋緊張、感情などを検査で引き出し、頭の一点にエネルギーを送る。
<効果>
手を当てている最中から、ご本人が、
「先生、今これ、気を送ってますか?すごく全身が緩んでいくのが分かる」
と、おっしゃる。
すごく感覚の鋭いお方。
施術後、全ての痛みはゼロに。
それだけでなく、主訴以外の、全身が軽くなっている感覚。
Tさんは驚き、
「全身がすっごく軽い!すごく楽になっている」
と、喜ばれていた。
<解説>
仮に、仙腸関節や尾骨、上腕に直接エネルギーを当てても、今回の痛みはゼロになっていただろう。
軸修正をつけ加えれば問題はより明確にクリアになっていたはず。
ただ、これほど「全身が軽くなった」という感覚までには至らなかったかもしれない。
今回、私が最近考えている、「持続性・効果をさらに上げる」ための新たな方法論を用いてみたのだ。
「主訴のみならず、全身の構造を整え、頭蓋骨や脳脊髄液、内臓の働きや呼吸を損なわない土台をつくることで、治癒力をさらに引き出す」
「すべての問題を引き出し、集約した一点にポイントを絞り、エネルギーを送ることで、効率よく根こそぎ問題を解消できる」
「エネルギーがどこにどれだけ必要かの基準、定量化をはかれる」
「すべてに意図をもって調整をかけるため、あとの検証が明確になりやすい」
「一点集約だからこそ、梃の原理のように、最小限のアプローチで最大限の効果が期待できる」
「エネルギーを一点に集約するだけで、全身のチェックポイントがみるみる緩み、痛みが消え去るという不思議な感覚を、術者も患者も味わえる」
「基本は寝てもらうのだが、座っても、立っていても、遠隔地であっても、問題のある部位・動き・臓腑・全身の状態を把握できさえすれば治療が可能」
この方法論に至るまでに、色々な試行錯誤があった。
たとえば、肺が弱って指が痛い人がいたとして、エネルギーを用いて、
「肺を癒すことで指の痛みが消える」
あるいは、
「指を直接癒すことで肺にも気が届き、痛みが消える」
と、いう結果が得られたとする。
この場合、どちらもよい治療法なのだが、指の痛みが消えても肺の弱りが強い方の場合、肺に気が取られてしまい、指の痛みがすぐ出てきてしまうことがある。
この場合、指に気を送りつつ、肺からも気を送ると、持続しやすくなるのだが、あちこちに症状があったり重症の方だと時間がかかってしまう事がある。
また、別の腎臓などに大きな弱りがある場合、エネルギーがそちらに回されてしまう事があり、結果的に肺や指の持続力が短くなり、痛みが再び生じるケースがある。
じゃあ、腎臓もエネルギーで癒せばいいじゃないかと考えるのだが、その腎臓が弱っている原因が感情や構造(肋骨や骨盤の動きが悪いため臓腑の動きも悪くなるなど)にもある場合、さらにそちらも調整をする必要が出てくる。
あっちもこっちも調整すればいいのだが、それぞれに必要なエネルギー量があり、それを加味してやっていくと、案外時間がかかってしまうケースがあるのだ。
とくに重症のケースなら尚更。
「結果、痛みがすべて取れるのならそれでいいじゃないか」
と、思うかもしれないが、その間、患者さんもじっと寝ていないといけなかったり、寝られない人は座っていないといけない。あるいは立ちっぱなしの場合もあるかもしれず、負担がかかる。
術者も、いかにエネルギーが自分の気を損傷しないやり方を取っていても、人を診るたびに肉体的疲労はそれなりに募るだろう。
拘束時間も長くなってしまいがち。
そこで、
「エネルギー的視点、整体的視点、臓腑経絡的視点、感情の問題、毒素やウイルスや菌、血流・石灰化・脳脊髄液・神経などの問題点を検査によって引き出し、一点集中して気を送り、一気に全てを解消しよう」
と、いうのが、今回のやり方だ。
しかも、このエネルギーのやり方は、自身の気を一切消耗しない上に、即効性がある。
「だんだん良くなりますよ」とか「明日にはもう少し緩みますよ」とかではなく、本当にその場で痛みや問題をクリアにするために工夫した方法論だからだ。
よほど問題が根深かったり(向精神薬漬け、事故などで脳ブロックが強固、トラウマきつい、悪霊絡みで追い出しても本人のマインド次第でまた憑いてくる、本人が潜在的に治りたくない・・など)、器質的問題(骨折れてるなど)が関わっていない限り、その場で痛みがゼロになるのが基本であり、最低でも何らかの改善は見せるはず。
それほど即効性においては強い自負がある。
(もし上記ら以外のケースで痛みが残るとすれば、検査によって問題を引き出しきれていないという事。問題の原因を見つけて解決できさえすれば痛みは取れる。)
さっきまで、首も痛い、膝も痛い、腰も痛くてかたい、頭も痛い、指も痛い・・・とあちこち痛かった人が、ほんの数分後には、頭に手をおかれただけで、みるみる全身に気がいきわたり、Tさんのように敏感な方なら全身がゆるんでいくのを実感し、先ほどまでの痛みが嘘のように消え去ってしまうだけでなく、主訴以外の体の固さやだるささえ和らいでしまう。
しかも、ある方法を用いて、持続力までつけようというのだから、私の理想にかなり近い体系だと考えている。
元々の方法論でも非常に効果が高かったのだが、さらにレベルが上がったと自覚できる。
ただ、まだ改善が残っている段階で、詰めていく必要があるが、面白いフォーマットを構築できたと思っている。
今後、さらに深化していくつもりだ。