<経緯>
長年、ご家庭の事情によるストレス多々あり、考えすぎたり、緊張したりしやすい性質をお持ちです。
これまで適宜、施術をすることで、各部位に痛みが出た際もその場で痛みが消失し、帰っていただいていました。
生活背景を含めた心身の状態などにより、痛みがまた出ても、施術を行えば痛みが取れ、次第に状態も安定してきていました。
ところが、何日か施術を空けた時期、再び右膝・左足首などの痛みが再発し来院。
<検査>
臓腑の状態を診るに、胸腺、胃、小腸、肺、大腸、腎の反応が顕著。
特に、ストレスや免疫と関わる胸腺の反応が非常に色濃く出ているため、その辺りの事情を問診すると、「病院での検診で〇〇の疑いがある」
と言われたため、しばらく不安で不安で仕方なかったといいます。(結果は異状なしであった)
通常の家庭のストレスに加え、そうした心配事によって心身の緊張が募り、臓腑のバランスが崩れ、関連する各部位への影響が及び、痛みが出たと考えられます。
<処置>
「左不容」「右太衝」「百会」に鍼。
<効果>
治療後、右肩の挙上、右膝の屈伸や歩行、左足首への荷重、左手首の曲げ伸ばしなどを確認。
その場で、全ての箇所の痛みが消失しました。痛みはゼロ、違和感もゼロです。
<解説>
・左手首の痛みは、胸腺らの反応に共鳴させたお腹の「左不容」への鍼などで消失。
・右肩挙上・右膝の屈曲痛は胸腺・胃・腎・肺に共鳴させた足甲の「右太衝」で消失。
・左足首に荷重をかけると内果が痛むのも、ある経絡の流れに共鳴させた頭の「百会」への処置と、股関節周囲と左小指(少陰の心・腎の関係)の流れをよくしたことで、痛みが完全に消えました。
不容は腹部。
太衝は足背。
百会は頭頂。
いずれも、肩・手首・膝・足首とは関係ない箇所に見えますが、経絡を通じて臓腑と各部位はつながっているため、お腹や頭に鍼をして手足の痛みが消失するのです。
わずかなきっかけを与えるだけで四肢すべての痛みが消失したのは、現象として痛みが四肢に出ているだけであって、根本原因である臓腑の乱れは一緒だからです。
※ちなみに、この症例のように痛みのある場所と違うところにアプローチをして「その場で痛みが消失する」という事例は、とくに珍しいことではありません。
たとえこの患者さんが日常で負担を抱え、再び痛みが生じたとしても、体の状態を見極め適切に処置をすることで、痛みをその場で取り去ることが可能です。
どれほどしつこい症状であっても、繰り返し施術を行えば、体質は次第に改善していきます。
大阪府羽曳野市の鍼灸・整体院 『逍遥堂』
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