彼の足
屋上に寝そべる。満天の星空。
「星座とかわかる?」
あなたは私に問うたけど、私はわかるはずもない。
「こんなにたくさんあると1等星も2等星も関係ないなぁ」
どれも自分を主張してやまなかった。私はわかるはずもない星座を、あれやこれやと彼の言うように探してみる。遠くで日暮しの鳴き声が聞こえる。秋ももうすぐ。すぐそこまで迫ってきていることを肌寒さでも感じ取れた。
「そろそろ帰ろうか。」
彼はそういうと起き上がり、腰に手を当てると、地と天の境目を眩しそうに眺めている。
今日で彼の夏休みが終わる。私は彼のかけてくれた毛布から出ると、彼の足にまとわりつき一声鳴いた。彼は私と毛布を持ち上げると出口の階段に向かって歩く。また彼の腕の中で鳴いたが、階段に吸い込まれる。なぜか階段のほうが空よりも暗い気がした。