2020年6月4日(木)午後、第11回新型コロナウイルス対策与野党連絡協議会が開かれました。 | 『現場に飛び込み、声なき声を聴く!』 しげとく和彦のブログ

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S45年生れ。衆議院議員候補(愛知12区岡崎・西尾)。元総務省職員。H16年新潟県中越地震で崖崩れ現場からの2歳男児救出に従事。22年愛知県知事選(次点)。H24年に初当選。H26年、H29年無所属で3選。

2020年6月4日(木)、第11回コロナ対策政府与野党連絡協議会が行われ、2次補正予算を議論しました。
緊急事態宣言は解除されましたが、収束は見通せず、経済・雇用情勢は悪化の一途です。
いずれ来るべき経済回復期に向け、いま苦しんでいる業界や労働者の皆様を支え続けるため、何としても十分な予算の確保が必要です。
 
一方、こうした支援を続けるためには、国家財政の持続性と両立させなければなりません。過度な予算計上や国債依存、不要不急な予算をチェックをすることも、国会の重要な責務です。
 
(1)2次補正の「10兆円の予備費」について
 
予備費は、毎年予算に3500億円~5000億円ぐらい計上され、災害対応などに政府が国会審議を経ずに支出できるものです。
コロナへの迅速な対応のためには、ある程度の増額は必要ですが、政府への白紙委任とも言えますので、今年度の予備費2兆円(1次補正後)をさらに増やすのは慎重であるべきでしょう。
マスコミも「巨額の使い道は政府の裁量が大きく、国会の監視が届かない危険性がある」と指摘しています。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59885100S0A600C2SHA000/
 
政府は、ことさらに迅速性を強調しますが、これまで政府のコロナ対策はずっと検討に時間がかかり、野党からの提案が常に先行してきました。
たとえば家賃支援策については、野党は4月には具体的な仕組みを提示したのですが、政府与党の検討がなかなか進まず、その後1か月以上経ってようやく予算化されました。
 
また、予備費は閣議決定だけで支出できるから早いと言いますが、コロナ対策に絞った補正予算であれば、国会審議だって数日でできます。
感染が広がり始めた2~3月ごろに比べ、いまは必要なコロナ対策も想定しやすく、数日の手続をすっ飛ばしてまで予算化しなければならない10兆円規模の対策があるとは思えません。
 
予備費12兆円は、国民一人当たり10万円もの金額です。
皆さんの10万円が、安倍首相の自由に使えるおカネになるのは、ちょっと心配じゃないですか。
 
しかも、財源は赤字国債。
間違いなく必要な経費に充てるなら仕方ないけれど、念のために積んでおくだけの予備費10兆円に赤字国債を充てるのは、抑制的かつ謙虚でなければなりません。将来世代が返済するおカネなのですから。
 
 
(2)「不要不急の既定予算の削減」
 
財源に国債(1次補正と2次補正でおよそ60兆円)を充てる前に、考えなければならないことがあります。
各省庁の今年度予算には、コロナの影響で執行できないものが相当出てくるはずです。
例えば「オリンピック関連予算」。
こうした予算を削減し、少しでも財源捻出する努力が必要です。
数十兆円もの見直しはできなくても、数兆でも、数千億でも、数百億でも、削れるものは削るべきです。緊急事態だからと言って、打ち出の小槌はありませんので。
 
60兆円の国債発行は、国民一人当たり50万円です。
コロナ対策として、定額給付金10万円が支給される一方で、50万円を負担しているのです。
いま苦しんでいる業界や労働者の皆様を支えるため、広く国民が負担を分かち合うべきではありますが、政府や国会が不要不急の既定予算に切り込むことも、国民の皆様の安心感につながる、政治の責任だと思います。
 
 
(3)新たな要望項目
 
さて、シブい議論を連ねましたが、やはり今すぐ必要なのは冒頭に記した十分な予算確保です。
今日の協議会では、これまでの要望に加え、新たに以下のような要望を提出しました。
 
・唾液を用いたPCR検査の普及
・自動車関連諸税などの減免
・持続化給付金の要件緩和(売上減幅を50%→30%など)
・公益法人・一般法人等の支援
・歯科を含む医療機関等の経営支援
・次の流行期のインフルエンザワクチンの確保
・保育所・学童保育で働く人への慰労金
・認可外保育園の保育料軽減
・公共交通機関の支援
・文化芸術関係者等への支援
・収入減少した個人への追加給付
・児童扶養手当受給者への追加給付
・新型コロナ休業支援金の対象拡大
・学校再開に際し、教員・指導員の確保、備品の確保、施設設備の改修