昨日88歳でお亡くなりになりました。
いつの頃からかは忘れてしまいましたが、実家のピアノの側にはサイン入りの写真が飾られていました。
母がファンだった為、小学生の頃には訳もわからないままオーケストラの公演も聴きに行きました。
自伝的エッセイ『僕の音楽武者修行』を読んだのは、僕が音楽を志す前だったか後だったか。
常識をぶち壊すようなパワーと音楽への情熱を感じました。
2008年には小澤征爾音楽塾オペレッタ『こうもり』に参加させていただき、本当に貴重な経験をさせていただきました。
小澤さんが楽しく踊るようにシュトラウスを振る姿、悪戯っぽく笑いながら、音楽のあちこちに仕掛けをしていくのを楽しんでいるような。。
その時は合唱としての参加でしたが、このプロジェクトにまた関わりたいと願いオーディションを受けた2011年のオペラ『フィガロの結婚』。
ドン・クルツィオ役のカヴァーキャストに選んでいただきましたが、小澤さんの手術により公演は中止、震災が重なり出演することが出来ませんでした。
結局僕が関われたのは一度だけでしたが、弟も別の年のプロジェクトに2回参加していて、兄弟揃って小澤征爾さんと共演するなんて信じられないことだと母は喜んでくれました。
歌い手仲間の皆さんはサイトウキネンや春祭など、他にもたくさんの思い出があるかと思いますが、僕にはこのたった一回が貴重な経験であり最高の思い出です。
小澤征爾先生、ありがとうございました。
ゆっくりとお休みください。