PlayStation 5やXbox Series Xの登場によってAMD(半導体製造会社)のCPU(中央演算処理装置)やGPU(グラフィックス処理装置)の需要が急増したことで、2020年秋頃からTSMC(台湾積体電路製造股份有限公司)がチップの絶縁体に用いられる「Ajinomoto Build-up Film(ABF)」の不足にあえいでいることが供給のボトルネックになっている。
うま味調味料の「味の素」グループの技術がパソコンに採用されていることを知っていました?
その心臓部である高性能半導体(CPU)の絶縁材には「味の素ビルドアップフィルム(ABF)」という層間絶縁材が使われており、現在では全世界の主要なパソコンのほぼ100%のシェアなのです。
ABFは、電気を通す配線の周囲の薄い絶縁材の層である。
そして、世界で使用されているこの絶縁材のほぼ100%は、日本企業である「味の素」が生産しているのです。
1909年に粉末調味料「MSG(味の素)」を商品化したことで有名な企業であるのは日本人なら知っている人が多いと思う。
味の素は1990年代にMSG製造の副産物である化学物質が絶縁フィルムに使えることを発見し、それが高性能チップに不可欠であることを確認。
以来30年間、同社はABFの供給を完全に独占。
これが「味の素ビルドアップフィルム(ABF)」。
味の素に対抗し、米国でも中華人民共和国でも数社が絶縁体製品の開発に挑戦。
しかし、いずれも工業試験を実施している段階なのである。
味の素とパソコン関連が深い関係とは知らなかった。