プーチンのウクライナ侵攻は「3日間で占領する」計画が2年も経過しても埒があかない。

この侵攻は私にいろいろな事を教えてくれた。

1. ロシア軍は本当に強いのか

ロシア軍は自国民を戦いに駆り出さず、今まで傭兵を使ったいたことが分かった。

ロシアの人々は、現実を知らされず、ウクライナ侵攻を人ごとのように考えていたのだ。

身内が戦いに駆り出され、死者が出てあわてた。海外に逃亡したロシア人も多い。

傭兵が戦ってきていたため、実践経験がないロシア軍は本当の戦い方を知っているのだろうか。

 ロシア軍は実のところ弱いのではないか。強いのは原爆を落とすと脅すプーチンの言葉。

現在、沢山の兵器や軍人を失ったロシア軍は、NATOが一致団結して攻め入れば、ロシアの存続があやしい。

 

2.米国・ヨーロッパ・日本・韓国等の経済封鎖は効果があったのだろうか

貿易等の送金でも使われる国際的な決済ネットワークSWIFTからの締め出しは、実質、世界経済からのロシアの退出である。

天然ガスの多くをロシアに依存するEUは、最大手の銀行や政府系ガス会社のグループ銀行を対象から除外し、抜け穴があった。

封鎖効果が高く、ロシア中央銀行が政策金利を20%に引き上げたものの、一時、通貨ルーブルは侵攻前の半分(1$=160ルーブル付近)まで急落した。

しかし、プーチン大統領が天然ガスの購入にルーブルでの支払いを義務づけたことで、ガス購入のためのルーブル需要が高まっているため、その後は侵攻前の水準にまで戻りつつある。

ロシアへの輸出規制も輸入規制も最恵国待遇の取り消しもアメリカ、ヨーロッパ、日本、韓国等の陣営の取った処置は、効果があったのだろうか。

 

3.国連などから見えたこと

いつも言われていることだが、国連は紛争防止に役に立っていない。

ウクライナ侵攻は欧州と米国の結束やNATOに新たな息吹を吹き込んだ。

ノルウェー、フィンランドがNATOに加盟したのはプーチンの誤算。

 ウクライナのNATO加盟より、もっと、ロシアにとって脅威ではなかろうか。

 

ロシアは中国やイラン、北朝鮮に接近している。

国連の経済制裁の決議でも193か国中141か国は賛成だったが、52か国が同意していない。

プーチンのウクライナ侵攻は道義的にプーチンが悪いと思う。しかし、52か国も同意していない。

さらにアジアやアフリカの国々で棄権した国々が多い。

アフリカ54か国中26か国が非難決議を支持していない。

アジアでもアフリカ大陸でもロシア派が多いのだ。

 

 ヨーロッパの殆どの国々がアフリカやアジアで自国の利益のため、かの国の人々を殺戮し、植民地にしたからだと私は思う。香港もやっと中華人民共和国に返されたばかりだ。

先祖が殺された人々がヨーロッパの人々の行いに賛同できないのは当然である。

逆に、旧ソビエト連邦だった人々の中には、NATOの自国への空爆に肉親が殺され、NATOを恨んでいる人々がいる。

日本は第2次世界大戦後、1945年9月2日から1952年4月28日まで、講話条約発効の7年間、連合軍に占領されている。しかし、私達が習う日本史の教科書にこの事実が記述されていない。

私自身、この事実を知ったのは、韓国の知人の話からだった。

 

ロシアの味方が結構いて、中華人民共和国、北朝鮮、イランが主な国々。

特に目立つの北朝鮮。プーチンの北朝鮮訪問もあり、ロシアは北朝鮮から調達した武器を戦場で使用している。北朝鮮製ミサイルもウクライナで発射されている。

イランは武器支援をロシアに続けている。イラン製ドローン「シャヘド136」を少なくとも6000機売りつけ、その支払いをロシアのルーブルでなく、金(gold)で求めている。

プーチンのウクライナ侵攻で最大の漁夫の利を得たのは、中華人民共和国である。

 中華人民共和国は2023年6月1日から、ロシア極東の最大都市ウラジオストクの港の使用権を165年ぶりに回復した。

さらに西部国境では、中華人民共和国とキルギス、ウズベクの横断鉄道計画に開始。

ロシアの権益を次々と侵食しているのだ。

 現在の軍事力は遥かに中華人民共和国が勝っている。ロシアとの国境問題に正面からぶつかれば、プーチンのロシアは無くなってしまうだろう。

 さらに心配なことは、ロシアの軍事力衰退により中央アジアの不安定化だ。

「地域における安全保障上の課題を調整する」ロシアの能力が低下し、中央アジアに「覇権争いの活発化」がもたらされ、その影響が「さらに広域」に波及する可能性がある。

 

4.エネルギー・食糧危機はどうなる。

 ヨーロッパはロシア産化石燃料に依存していたので、直ぐロシアに寝返ると思われた。

しかし、その危機から概ね脱却したらしい。ただし、これによって経済はインフレが悪化しているが。

おかげで太陽光発電、風力発電、地熱発電、原子力発電ついて技術革新が進んでいる。

食糧危機もウクライナからの穀物も輸出できるようになり、徐々になくなっている。

 

5.戦争の仕方が変わった

 小型の民生用ドローンが戦力の中心になった。

ローコストで兵士の命を晒すリスクの少ないドローンはこれからの戦力の中心になるだろう。

 そして人工衛星を利用した情報戦争になるだろう。

現在、夜間でも撮影できる人工衛星に搭載したカメラが造られている。

 夜間にこっそりミサイルを飛ばし、敵をやっつけようとする計画は宇宙から丸見えになってきている。

6.核戦争による終末論再び

 核兵器を使うと脅かすプーチン。

核戦争で世界が滅びてしまうかもしれないという終末論は現実味を帯びてきている。

しかし、原子爆弾をウクライナに落とせば、その放射能の影響は他国にも、何年にも及ぶはずだ。

ロシア自国へも放射能の風が流れていくだろう。

さらにNATOも最後は黙っていないだろう。ヨーロッパ各国は国防費が前年に比べ増加。

第3次世界戦争が予想される。

6.新たな世界平和は訪れるか

ウクライナ侵攻がどのような形で終結しても、ロシアを中心に世界が元通りになることないと思う。

中華人民共和国の政治体制もロシアと同じように変化が起きそうな気がする。

 願わくは私の生きている間は、日本で戦争が起きないことを望んでいる。