「春にして君を離れ」@ジョーンの場合 | 人生がリスタートされる  ♡温♡柔♡潤♡な身体づくり

人生がリスタートされる  ♡温♡柔♡潤♡な身体づくり

性のことは一生のこと。知識のなさから起こるパートナーシップ・セックスレス・性交痛の悩みを、インドの伝統医療アーユル・ヴェーダをベースにしたフェミニンケアで改善。女性の感覚を目覚めさせることで、生涯女性でいることを楽しめるサポートをしています。


エロスを女の日常に
 世代をこえて語り継いでいく
性と愛の話

 
アマナティーチャーみかりんです

自分も相手も
より幸せになるため
の話を
お伝えしています
のめりこみそう。

#アガサクリスティー 
#春にして君を離れ
かの
アガサ・クリスティの
ロマンチック・サスペンス

推理小説には
あまり興味をもったことがなかったけれど
なぜか
強烈に惹きつけられて
手に取った

順調な人生を送っている、と
信じ込んできた
主婦ジョーンが
一人旅の不具合の中で
〈本当のこと〉に
目覚めていくストーリー

時空をこえて
台詞が
ツキささるツキささる^ ^

あまりにも
深く鋭い人間洞察に
ただただびっくり
ずっと
模範生だったジョーン
見下してきた同級生からは、

「人間なんて
まあ、そんなものよね。

しがみついていた方がいいのに、
投げだしちまったり、
ほっとけばいいのに、
引き受けたり。

人生が本当と思えないくらい、
美しく感じられて、
うっとりしているかと思うとーー
たちまち地獄の苦しみと惨めさを
経験する。

物事がうまくいってるときは、
そのままの状態が
いつまでも続くような気がするけれど、
そんなことは
長続きしたためしがないんだし。

どん底に沈みこんで、
もういっぺん浮かびあがって
息をつくことなんて、
できそうにないと思っていると、
そうでもないーー

人生って
そんなものじゃないの?」
わたし、ひとりぼっちなのね‥

本当にひとりぼっちなんだわ

‥おまけにどの子も
母親のわたしを
できるだけ避けているようで、
奇妙な孤独感を感じた。
なぜ、もっと
愉快なことを考えないのかしら?
気持ちの晴れ晴れするような
思い出だって
たくさんあるはずなのに。
‥穴から
ひょこひょこ頭を突きだすトカゲ。
ちょうどそんな具合に
さまざまな思い出が次々に胸に浮かんで‥
ぞっとするような、心騒ぐ思い出‥ 
考えたくもない
不愉快なことばかりが。
模範生として卒業した女学校の
校長先生からは、

「あなたは
少々自己満足の気味があるからです。
そうは思いませんか?
自分のことばかり考えずに、
ほかの人のこともお考えなさい。
そして
責任をとることを恐れてはいけません」

「あなたもやがて痛みを知るでしょうーー
あなたがそれを知らずに終わるなら、
それは
あなたが真理の道からはずれたことを
意味するのですよ」
娘について、夫からは

「あの子は
分別よりも心情で行動する人間だ。
誰かを好きになれば、
心の奥深い所で恋をする。
だから
その傷は永久に残るだろうね」‥

「‥何についても深く感じるからこそ、
故意に言葉を惜しむのさ」
しかし聖人の多くはね、ジョーン、
情熱を持ちあわせているよ。
肉体というものを
備えていないのも同様な、
霊的な人間とは
わけが違う。
体じゅうが
何かをひそかに
待ち構えてでもいるように、
油断なく緊張しているのだった・・・
まるで
どこかに隠れひそんでいる
危険にたいして
防禦しようと
待機してでもいるように、
全身の筋肉が張りつめていた。
砂漠の真ん中の、
この不愉快きわまる牢獄のような部屋に、
ひとりぼっちで横たわっているわたし。
自分自身のことのほか、
何を考えるでもなく。
わたしがこれまで
誰についても真相を知らずに
すごしてきたのは、
こうあってほしいと思うようなことを
信じて、
真実に直面する苦しみを避ける方が、
ずっと楽だったからだ。
わたしは今もそのままだ。
安易な生活を送り、
面倒なことは考えようとせず、
自分自身に満足しきり、
苦痛を恐れ、避けてきた
彼女が
細心の注意を払って
自分のまわりに築きあげた防壁が、
押しよせた不安と孤独の潮に
洗い流されたその瞬間に。

彼女はーー
かつて多くの人々が経験したようにーー
一つのヴィジョンを
見たのだった。
彼女は自分自身に会い、
生れてはじめて
自己の真の姿を認識した。

多くの人が、
聖パウロが、
‥ごく普通の人たち、
‥みんな同じ経験をしたのです。
それこそ回心というもの、
内的ヴィジョン
というものでしょうね。
・わかってる
・知ってる
・大事に考えてる
・ちゃんと見てる

と思い込みながら

結局
フォーカスしているのは
自分だけ

それもまた
本当のことにフタをしたままの
自分だけ💧

ここからの目覚めは
積み上げてきたものを
土台から揺るがすチカラあり

それも
案外
ササイなひび割れから
始まるんだよね
最後のチャンスを
ジョーンは自ら長い友達である
怠惰と怯懦に敗れて
手放した。

怯懦(きょうだ)臆病で気が弱いこと

・・・ 

‥私はそのように生きたくない、と思う。
この小説は私に、
「苦い感動」「哀しみにみちた慰安」
があることを教えてくれた。
だから、
この小説は、
私にとって、
そしてまた同じような苦しみをかかえた
人間にとってだけ
永遠に
苦く切ないバイブルである。

ーー栗本薫氏の解説よりーー