12月2日の 産経新聞の記事から | 不可能をかのうにする かのう重雄 オフィシャルブログ「一つ、ひとつを重ねて」 Powered by Ameba

12月2日の 産経新聞の記事から

12月2日の 産経新聞の記事から

 

ジョン・マドックス賞に日本人医師、村中璃子氏が受賞したと報道されていた。英科学誌「ネイチャー」が主催する賞だという。

http://www.sankei.com/life/news/171202/lif1712020043-n1.html

 

ざっと、この雑誌に関して調べてみた。雑誌の記事の多くが学術論文で占め、世界的で特に権威のある学術誌とされているネイチャーとGoogleで検索するとWikipediaが出てくるので参考にして頂きたい。通常のリンクを貼り付けても開くことができないので。)

 

さて、村中璃子氏が子宮頸がんワクチンに関して、自説を展開してきたのはWEDGEといういわゆる商業誌。JRの新幹線に乗れば、無料で座席に配置されている雑誌である。

 

特に、ご自身が研究して分析した学術論文でもない。また、高校生を相手にした不適切な取材の仕方は、常識人として日本では問題があるとの声も聞く。

 

さらに、こどもの副作用で大変悩んでおられるご両親方を、カルト化あるいはモンスターマザーと表現したことも感心しないとも。

 

権威ある学術論文にカルト化、あるいはモンスターマザーという言葉が使用されているかどうかは わからないが、今回の評価に疑問を覚えるのは私だけではないと思う。

https://ameblo.jp/3fujiko/entry-12146291915.html

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/6618

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/6587

 

ジョン・マドックス賞は、公益に資する科学的理解を広めることに貢献した個人に与えられる賞ということだが、権威ある科学誌が手法にこだわらないとするのだろうかと、ふと疑問に思った。

 

さらに、その不適切な手法および言及に関して、名誉棄損の裁判まで引き起こしている。裁判に対する態度も、常識人として日本では遺憾であるとの声も大きいようだ。

http://d.hatena.ne.jp/shimizulaw/20161206/1481028635

 

一方、ネイチャーに関すwikipediaの中で、2013年ノーベル賞受賞者であるランディ・シェクマンが、このネイチャーとサイエンス、セル3誌は商業主義に陥っていると批判、絶縁宣言をしたとも書かれていた。

 

さらに、調べてみると、子宮頸がんワクチン・サーバリックスの製造元でグラクソスミスクライン社に関しても、ネイチャーでは言及しているようだ。

http://www.nature.com/articles/422783a

 

しかし、今回の産経新聞の記事には、つくづく感心した。村中璃子氏が日本で現在置かれている状況に関して一切言及していない。

 

他社は、村中氏の記事をめぐってWEDGE社が、訴えられていることを報道していたが・・・。日本の新聞であるにも関わらず、公平性に欠けるのではないかと思ってしまう。

https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG17H7J_X10C16A8CR8000/

 

日本では子宮頸がんワクチンは定期接種のままであり、特に接種中止をしたわけではない。今でも誰もが自由に無料で接種できる。日本産婦人科学会も積極的勧奨の早期再開を求める声明を出し続けている。

http://www.jsog.or.jp/statement/index.html

 

しかし、このワクチンに関するインターネット上の推進派の医師によるドクターハラスメントが、医師に対する国民の警戒心を引き起こしたことは否めない。

https://ameblo.jp/shigeo-kanou/entry-12158411406.html

 

英国のジョン・マドックス賞に、村中璃子医師が受賞したという事実は、より国民の警戒心を煽る事態を引き起こすのではないかと危惧している。