“横浜市、150万円金銭授受は いじめとして認めない” の報道から
“横浜市、150万円金銭授受は いじめとして認めない” の報道から
(横浜市林市政下のこどもたち 2017 その2)
横浜市が150万円の金銭授受を いじめとして認定しないと、岡田教育長の常任委員会での発言はNHK、その他のTV、新聞等で全国に報道され、その反響の大きさは尋常ではない。
平成28年度は、小学校に放射能廃棄物を保護者に知らせずに保管し、5年間放置した問題から始まり、未解決の殺人事件が発生した大口病院からの内部告発を無視した横浜市保健所の問題など、テレビ、新聞、その他の報道を含め、横浜市に対する批判は途切れることがない。
このいじめ問題では、その抗議の対象が教育長あるいは教育委員会に集中している。また、生徒自身がいじめの実態を訴えていることに対し、この問題に関わった校長、副校長、担任、そして学校教育事務所などのメンバーは、未だ誰一人として自らの声で謝罪していない。
前回のブログでも書いたように当時、被害児の声を直接聞ける立場にあった当事者らは、このいじめ事例を調査する側にいる。
同じ原発避難いじめ問題でも、新潟市の対応は大きく違う。担任からの謝罪の言葉も伝えて、教育委員会は速やかに謝罪している。トップにいる市長の姿勢が、世間一般常識と乖離していない一つの現れであろう。
http://mainichi.jp/articles/20161203/k00/00m/040/119000c
http://www.mizutaniosamu.com/blog/010diary01/post_459.html
この問題に関わった当事者である校長と担任の先輩である水谷修氏も、この非常識な状況を嘆いて自身のブログで言及している。
“こどもの教育がきちんとできていない横浜市に、賭博場を作られたらどうなるか。恐怖を感じます。” と、言及している。
さて、今回生徒側は、常任委員会開催の10日前の1月10日に “150万円の金銭授受を いじめとして認定して欲しい” と、林文子市長に要望書を出している。
1月11日の記者会見で林市長は、要望書の内容を認識している。ところが、1月20日の常任委員会では、我々議員が時間をかけ何度も指摘をしても、教育長は “150万円の金銭授受は いじめとして認定が困難” と、結論づけた。
さらに、閉会中とはいえ、いじめの重大案件の常任委員会に2回も続けて担当副市長は出席しない。
第3者委員会の見解を尊重しながらも、さらに一歩、常識的に自分たちで考えて、 “いじめと認定する” と、結論づけたらどうか。
http://ameblo.jp/shigeo-kanou/entry-12240608822.html
結局、1月23日には、生徒側の弁護士が「いじめ認定難しい」の発言撤回を申し入れることになった。つまり、生徒側が苦しむことを横浜市は選択し続けているのだ。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170123/k10010849981000.html
さらに、先の担当部長の言及は、常任委員会に出席していた議員なら誰もが驚くものであった。
「教育長の発言は『(金銭授受が発生した)当時、学校や教育事務所が いじめと認定するのは難しかった』という意味で、言葉足らずだった」などと説明。
岡田教育長は「(第三者委の)結論を見ても、金銭授受はそれだけで いじめと認定することは判断できないという趣旨で答弁した。丁寧に趣旨を伝えられず申し訳なかった」とコメントした。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170124-00015137-kana-l14
いかに、生徒側に寄り添わず、教育長側に立った言い訳であることが、こどもでもわかる。さらに、被害者側を苦しめる発言であることに気づかないのだろうか?
林市長は、全国からその不手際を注目される このいじめ問題に対し、副市長、局区長に対して内部では、どの様な見解を発信しているのだろうか? 地元の区長には、ぜひ聞いてみようと思う。
以前、ブログで堺屋太一の書いた “組織の盛衰” を参考に、横浜市立大学医学部の現状を危惧し言及した。
このいじめ問題に対する林市長、副市長、教育委員会の一貫性のない対応を見ると、以下の一説が非常に当てはまる様に思える。
http://ameblo.jp/shigeo-kanou/entry-11136961364.html
どこの組織にも腐敗はある様だ。しかし、腐敗よりもはるかに恐ろしいのは倫理の逸脱。つまり、世間一般の常識と当該組織の中の主観とが大きく乖離してしまうことであるという。
組織の気質が正常であれば、倫理の逸脱は早々是正されるはずである。しかし、最も組織を悪しき発生源に変える錯誤は、その組織自体が、何が正しいことかが分からなくなることにあるという。
一般常識と横浜市という組織の中の主観が大きく乖離していないだろうか。全国からの批判は、横浜市という組織の倫理の逸脱に対する驚きと怒りであるということに 気づくことが出来るのだろうか?
この問題は日本中から注目されている大きな人権問題である。毎年、勤務時間内で人権研修に取り組んでいる横浜市だけに、局区の管理職会議あるいは各職員が、この深刻な問題を内部で話し合っている様な組織であるならばまだ良い。
まるで、他人事のように口をつぐんでいる様であれば、もうこの組織は腐敗よりも恐ろしい状況に陥っていることになる。そして、まさに禍は上から起きている様に思える。
1月25日に行われた市長記者会見でも、林市長は結局、教育長の言い方を謝罪しただけで150万円の金銭授受を いじめとして認めなかった。
この問題を注視している市民、国民の皆さんは、小学生の150万円金銭授受の問題を いじめとして認めないのは教育長だけではなく、横浜市トップの判断であると認識したようだ。新潟市の市長と大きく異なる。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170125/k10010852761000.html
“どうして時間がかかっている。” という被害者の手紙に答えていないのは、林文子横浜市長なのでは。
http://www.huffingtonpost.jp/2016/12/09/yokohama_n_13539272.html