横浜市保健所の立ち入り検査 その1 | 不可能をかのうにする かのう重雄 オフィシャルブログ「一つ、ひとつを重ねて」 Powered by Ameba

横浜市保健所の立ち入り検査 その1

横浜市保健所の立ち入り検査 その1

横浜市保健所(医療安全課)と大口病院事件 その3

 

10月4日、横浜市は連続殺人事件が起きた大口病院の9月2日に行った定期立ち入り検査の結果に関する記者会見を行った。

 

報道によると、その結果では「速やかな改善が求められる最も重い指導項目はなく、同程度の病院に比較して突出した点が見られなかった」としていた。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG04H8I_U6A001C1CC1000/

また、「点滴や薬剤管理には不備はなかった」とも結論づけていた

 

ところが、大口病院のナースステーションでは、休日の少ない体勢のまま、普段より多い段ボール10箱分の大量の点滴を管理していたことが10月1日のNHKで報道されている。警察の捜査が入ったことで、いろいろなことが判明してきている。

http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20161001/3151111.html

 

横浜市医療安全課は、事件発覚の2か月以上前の7月5日、早い段階で患者さんの カルテが紛失 したというメールを受信している。

 

医師法24条1項に、カルテの保存義務が明記してある。さらに個人情報保護法の点からも、カルテ紛失は大きな問題であったはずだ。

http://www.jmedj.co.jp/article/detail.php?article_id=2691

 

横浜市といえば、個人情報保護には非常に敏感で誤送付の記者発表を何度も行ってきた自治体でもある。

 

また、現 医療局が担当してきた横浜市立脳血管医療センター(現 横浜市立脳卒中・神経脊椎センター)は、医療事故の患者さんと私の家族の診療に関するメモを院内から違法に持ち出し、盗難にあって紛失した時も、私達家族の承諾も得ず慌てて記者発表を行うような自治体である。

 

ところで、医師法24条1項に、カルテ保存義務が明記してある事を知っているにも関わらず、医療安全課は カルテ紛失 という大口病院の事案には何も対応しなかったと聞く。

 

また、定期立ち入り検査では、このカルテ紛失が起こるような病院の管理体制をもってしても、「同程度の病院に比較して突出した点が見られなかった」と、判断したと言う。カルテ紛失は同程度の病院では珍しくないとでも言うのであろうか?

 

横浜市は6日に開催された決算第1特別委員会等で、1011日に臨時立ち入り検査を行うと発表している。ところで、そもそもの 立ち入り検査の位置づけを理解する必要がある

 

平成25年8月、総務省では、医療安全対策の推進を図る観点から、医療機関における医療安全体制の確保状況、国等による医療安全対策等の実施状況等を調査し、勧告を行っている。

 

その中で、立ち入り検査の役割は医療事故 防止 対策の推進、あるいは院内感染対策(院内感染を減らす)の推進 のために検査を行い、不備を指摘し、 医療安全の向上を担うものであり、あくまでも ”防止” という役割が中心らしい。

http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/77608.html

(資料:要旨参照)

 

だからこそ、早い段階で対応してこそ、立ち入り検査の意味があったのではないだろうか?

 

警察の捜査が始まって以来、すでに院内の勤務体制、点滴の管理体制、院内の防犯体制不備などが次々と判明され、すでに報道されている。その中、横浜市が立ち入り検査を行うことで、捜査以上の何が分かると言うのだろうか?

 

それよりも、神奈川新聞の記事にあったように、もし、今回の様な医療法上問題がある内容が数十件に上っているならば、その様な案件を迅速かつ丁寧に対応していくことが先決である。

 

さて、NHKでも報道されていたが、市は立ち入り検査の結果などを元に、来月設置する専門家などによる検討委員会で当時の対応を検証するという。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161006/k10010720091000.html

 

自分たちが行った対応を、自分たちの検査を元に 検証するというのだろうか?

http://ameblo.jp/shigeo-kanou/entry-10838529911.html

 

201012月に浜松市から青葉区に転入し、浜松市から育児支援要請が何度もあったにも関わらず、一か月以上 一度も育児支援を行わないうちに、翌年1月に1歳半のこどもが死亡するという事案が3月に明るみになった事案がある。

 

それを受けて3月の議会で、こども青少年局が厳しく指摘を受けた事案でもある。また、こども青少年局の常任委員会では青葉区福祉保健センター内の情報共有の欠如、医師で福祉保健センター長の姿勢等も批判された。

http://giji.city.yokohama.lg.jp/kensaku/cgi-bin/WWWframeNittei.exe?USR=kanyoks&PWD=&A=frameNittei&XM=000100000000000&L=1&S=15&Y=%95%bd%90%ac23%94%4e&B=-1&T=0&T0=70&O=1&P1=&P2=%8d%95%90%ec%8f%9f+&P3=&P=1&K=394&N=3279&W1=&W2=&W3=&W4=&DU=1&WDT=1

 

そして、5月、横浜市はその青葉区福祉保健センター長をこども青少年局の保健医務監に異動させた。ある種、自分の行ったことを自分で検証する部署に置かれたことになる。

 

その福祉保健センター長は1月にその搬送された医療機関の医師から、「こどもは低栄養状態にあった。」という情報を得ていた。ところが、その事実を3月の議会において、こども青少年局も青葉区も公表しなかった。このことは、5月20日の朝日新聞横浜版で報道されている。

 

現 健康福祉局長(当時 こども青少年局長)の下で、この事案は一貫して虐待の可能性が否定された。児童虐待・DV対策担当課長は、「医師は低栄養状態と言っているが、直接確認はできていない。事実関係を再検証する予定はない」と、朝日新聞の取材に回答している。

 

ブログでも言及したが、横浜市の児童虐待対策を改善していくためにも、非常に課題のある案件で、更なる検証が必要であったにも関わらず、5年もの歳月が流れてしまった。

http://ameblo.jp/shigeo-kanou/entry-12199042478.html

 

また、同じ様な事が 起こらなければと危惧している。