横浜市立大学の利益相反(子宮頸がんワクチン推進問題から)その1 | 不可能をかのうにする かのう重雄 オフィシャルブログ「一つ、ひとつを重ねて」 Powered by Ameba

横浜市立大学の利益相反(子宮頸がんワクチン推進問題から)その1

横浜市立大学の利益相反(子宮頸がんワクチン推進問題から)その1


横浜市立大学は公立大学法人といえども、法人化した平成17年度から10年経過したにも関わらず、相変わらず莫大な市税が投入され続けている。


税金によって赤字が十分補てんされない通常の私立大学や大学病院はそれなりに経営改革を行い、サービス向上に努力している。


横浜市立大学は、税金で潤沢な補助が投入されている以上、大学教員、職員含め、納税者からの視点を十分配慮する必要がある。


20136、厚生労働省は子宮頸がんワクチン接種の積極的勧奨中止を決定した。その決定に全国の自治体が従った。当然、横浜市もそれに従ったわけだが。


さて、横浜市立大学医学部の教員である宮城悦子氏は、その利益相反が大きく社会的に問題視されている。


横浜市立大学は、利益相反のポリシーを平成17年に作成しているが、弁護士からなる薬害オンブスパースン会議という外部の組織から自校の教員が、公開質問状という形で指摘されるに至ったことは、残ながらそのポリシーに沿ってきたとは言えない。

http://hpvv-danger.jp/archives/368


宮城氏が委員である子宮頸がん征圧をめざす専門家会議に、子宮頸がんワクチンの製造元であるMSD株式会社およびグラクソ・スミスクライン社より、2年で7000万円の寄付を受けている。この公開のやりとりは集英社の「子宮頸がんワクチン事件」に詳細に掲載されている。委員は34しかいない。


この本の中でも言及されているが、厚生労働省の基準によると受け取った額が50万円以上であると、ワクチンの副反応検討部会において議決に参加できなくなる。


しかし、一般市民感覚からすると50万円でも非常に大きな金額である。結局、専門家会議は、委員は個人の意志でこの征圧会議に参加しており、それぞれの所属する団体・学会において適切な管理を行っていると理解しており、征圧会議はそれを管理する立場ではないと言って回答を事実上拒否した。

http://shueisha-int.co.jp/vaccine/vaccine05.html


残念ながら当時、横浜市立大学が適切に管理していたとは到底思えない。


2013年6月の厚生労働省の動きに対して、8月に日本経済新聞誌上で異議をとなえたのが、宮城悦子氏と今野良氏である。

http://style.nikkei.com/article/DGXNASFK2000J_Q3A820C1000000


宮城氏は2012年3月2日に行われたグラクソ・スミスクライン社共催の丸の内キャリア塾で「検診とワクチンで子宮がんから自分を守ろう」という題で講演を行っている。最近は今年の3月にバイエル薬品会社共催の丸の内キャリア塾で講演を行っている。


横浜市では201010月に、いち早くグラクソ・スミスクライン社共催で市民公開講座が開催されており、その時の講師も宮城氏であり、横浜市健康福祉局の水野哲宏医師である。


201210月に開催された日本婦人科検診学会は、自治医科大学今野良医師を会長とした学会で、MSD株式会社、グラクソ・スミスクライン社、ジャパンワクチン株式会社の共催で講演が開催されている。テーマも”HPVワクチン時代の子宮がん検診”というテーマである。

http://jgcs21.umin.jp/program.pdf


この学会で宮城氏は、横浜・神奈川子宮頸がん予防プロジェクトについて講演している。女子大リボンムーブメントの横浜市での活動も発表されている。


2013年8月22日には神奈川県の議員などに子宮頸がん征圧をめざす専門家会議から招待状が届き、子宮頸がんワクチン推進の勉強会が開催された。私も参加したが、その時の講師も宮城氏である。


そこで、私の質問の対し、宮城氏が回答したことは、まだ子宮頸がんワクチンが子宮頸がんそのものを予防したという実証されたデータが存在しないということだった。

http://ameblo.jp/shigeo-kanou/entry-11692719171.html


その重要な事実を説明しないで、「予防できる」と横浜市立大学医学部の教員によって推進活動が、政治家あるいは市民に対して行われてきたのである。


たとえば、2011年リボンムーブメントの活動によると、神奈川県内の女子学生も宮城氏の指導の下で、大いに推進活動を行っているが、配布されるカラー刷りの小冊子の資金源はわからない。

http://fields.canpan.info/data/organizations/171/171056/1710560150/files/n9oNpDUJ.pdf


20136月、国の方針を受けて、横浜市は子宮頸がんワクチンの積極的接種勧奨を中止したわけだが、莫大な横浜市税が投入されている横浜市立大学医学部のスタンスは、利益相反の点から検証すべき大きな問題がある。


2013年8月に、宮城氏は神奈川県在住の議員を集め、子宮頸がんワクチン接種推進の講演を行ったわけだが、推進の動きは非常に活発である。


201311月に開催された日本婦人科検診学会では、宮城医師は、「ワクチン接種率向上へ向けて」という題で講演。

http://www.jagcs.org/pdf/meeting/taikai22/program.pdf


また、この学会で注目すべきは、接種勧奨中止と発信している横浜市健康福祉局健康安全部の部長が、行政職でありながら、ジャパンワクチン株式会社共催の市民公開講座で講演したことであろう。行政職でありながら、利益相反を明らかにしなかった。


2014年3月2日には、予防ワクチン接種の大切さという演題で、市民公開講座が開催されているが、多数の製薬会社が協賛を行い、MDS株式会社と第一三共株式会社が寄付を行っている。

http://www.cczeropro.jp/assets/files/ibent/yokohama.pdf


この市民公開講座では宮城氏は司会を務めている。しかし、最も驚くべきは横浜市立大学の発信であろう。未来を生きるあなたへ 教員からのメッセージというシリーズで2014年に宮城悦子氏を紹介している。

http://www.yokohama-cu.ac.jp/interview3/miyagi/p01.html


また、”子宮頸がんは予防できる”という発信だから驚く。子宮頸がんは予防できる可能性があるというのが正しい表現であろうに。


昨今、国立大学付属病院長会議が、「企業等からの資金提供状況の公表に関するガイドライン」を策定。横浜市大もこれに準じ公表を進めていると聴いている。


しかし、利益相反が社会的に問題視されているこの教員の今までの利益相反を公開せず、横浜市立大学がこのようなスタンス(発信)を続けるならば、自ら利益相反のポリシーが機能していないことを、市民に対して示しているようなものだと危惧する。