「医療事故調査制度」が開始されました。 | 不可能をかのうにする かのう重雄 オフィシャルブログ「一つ、ひとつを重ねて」 Powered by Ameba

「医療事故調査制度」が開始されました。

「医療事故調査制度」が開始されました。


予期せぬ医療事故で家族や大切な人の命が奪われたらどうしますか。その真相を知りたいと願うのは当然ですよね。そして、それに応えると言うことで本年10月に「医療事故調査制度」が開始されました。


たまたま、TV“報道ステーション”を見ていたら「医療事故調査制度」の課題などが報道されていました。私も以前からこの制度について警鐘を。ブログでも発信させて頂いています。多くの皆さんに関心を持って頂きたいですね。


かのう重雄ブログ2015-10-25医療事故調査問題から(脳卒中対策基本法設立への道 その8 )も見て頂ければ幸いです。


ここで、以前から気になっていた一つのレポートを紹介します。

2015-10-28のテレ朝news報道ブーメラン「医療事故調査制度」の課題 社会部/清水圭一のレポートを紹介します。


『誰だって、家族や大切な人を亡くしたくない。もし予期せぬ医療ミスで命を奪われたならば、その真相を知りたいと願うのが当然だろう。そうした願いに応えるため、10月から新たに始まったのが「医療事故調査制度」だ。


「長年待ち望んだ制度がようやく始まった」。10月、厚生労働省で会見に応じた永井裕之さん(74)。今回の新制度の導入を訴え続けた遺族の一人だ。


16年前、永井さんの妻・悦子さん(当時58)は、体内に入れてはいけない消毒薬を、看護師に誤って点滴されるという信じられないミスで命を落とした。「殺されたと言っても過言ではない。心の痛みを癒すだけでも、長い年月が必要だった」。


きのうまでの姿から、冷たく変わり果てた妻その頬をなでながら、涙が止まらなくなったことを、永井さんは鮮明に覚えている。そして、涙が乾く間もないまま、胸にこみ上げてきたのは「なぜ妻が急死したのか」という病院への不信感だった。


病院は当初「点滴は問題なかった」と話し、その後も死因について曖昧な説明を繰り返すばかりだった。信頼していた病院の不誠実な対応や、何かを隠そうとしている態度に、何度も悔しさと憤りを覚えた。


結局、永井さんは病院関係者を刑事告訴。およそ5年にわたる長い裁判の末、最終的には事故の真相が明らかになり、2人の看護師と当時の院長の有罪が確定。民事訴訟では組織ぐるみの「事故隠し」と認定された。


「これまでも病死として処理された医療事故があるのではないかと疑うようになった」 自浄作用が働かない病院の隠蔽体質こそが医療事故の根源だと痛感した永井さん。「悦子の死を無駄にしたくない」と強く感じ、医療事故を減らすための活動を始めた。


訴えたのは、中立的な事故調査を行う第三者機関の設立だった。東京都内の駅前などで地道に署名活動を行い、必要とされれば全国のシンポジウムや講演会に出かけた。講演では「医療事故は決して他人事ではない」といつも語りかけ、医療ミスを疑いながら泣き寝入りしている人たちの相談にも耳を傾けた。


生きていれば悦子さんと過ごすはずだった時間を、医療問題に費やした。そしてその執念が実を結び、去年6月に「医療事故調査制度」を盛り込んだ改正医療法が成立。10月、いよいよ新制度のスタートを迎えた。


しかし肝心の制度の中身について、永井さんは「大きな懸念がある」と話す。最終的な制度の検討段階で、医療側からの強い要望が反映されたためだ。


第一に、そもそも患者が死亡した場合、それが医療事故かどうかを判断するのは病院側に任せられる。つまり、遺族が事故だと思っても、病院が事故ではないと判断すれば、事故調査は始まらない。


第二に、事故調査を行うのは、想定されていたような中立的な第三者機関ではない。第三者機関は、病院内の調査を補完するような立場で、強制力もなく、病院にとって不利な資料を隠したままにすることも可能といえる。


期待されていた制度に比べ、医療側に有利とも思える新制度。その中身が明らかになると、一部の遺族からは「こんな制度だったらやらない方がいい」という声も上がった。


死亡事故の報告も調査も、病院側の良心に委ねられるならば、また事故の隠蔽が続くのではないか。不幸な医療事故が発生した場合、病院側の方が遺族よりも強者である構図は変わらないままではないか。


こうした声に対し、永井さんは、まずは制度が走り出したことに意義があるとした上で「小さく産んで大きく育てることが重要」と話す。


新制度の大枠を維持しながら、遺族や病院職員が相談できる窓口を設置することや、病院側に積極的な報告を促すような仕組み、院内調査に外部の専門家を入れることなどを提案し、国に働きかけていくつもりだ。


「ひとつの出発点だと思っている。この制度を機に、もっと医療安全について国民に関心を持ってもらいたい。医療は、誰もがお世話になる。


今後は患者もただ医者の言う通りにならずリスクのある医療を受ける時に、どう納得して受けるのか決断しないといけない。国民全員で、十年単位で時間をかけて良い制度に育て上げていくことが大事だと思う」


まだ始まって1か月も経っていない「医療事故制度」だが、新たに設置された第三者機関には、すでに死亡事故の報告が上がってきているという。徐々にその内容や報告数も明らかになっていくだろう。この制度が、本当に医療事故の真相究明と再発防止を果たすことができるのか、試されるのはまさにこれからだ。』


皆さんは、どうお考えですか。